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食・暮らしの豆知識/レシピ

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#小池理雄

米粉のパンやスイーツが流行る理由とは

米粉のパンやスイーツが流行る理由とは

最近、米粉を使ったパンやスイーツが増えてきているようです。

そうなると小池精米店へ「米粉ってありますか?」という問い合わせが増えますが……残念ながら弊社では取り扱いはありません。

米屋が「お米」を売ろうとすると、どうしてもお米の最大のライバル「パン」に対する「お米の優位性」を語る必要が出てきます。そしてその優位性のうち最も説明しやすい内容が「お米は粒で摂取するのに対し、パンは粉で摂取する」なの

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自分でもできる! 雑穀ブレンド

自分でもできる! 雑穀ブレンド

最近は白米ではなく、玄米や分搗き米でお米を食べる人が増えています。
以前と比べて健康志向の方が増えてきた証です。

ただ、玄米や分搗き米は栄養が豊富ですが、一方で「食べにくい」「香りが気になる」といった声もあり、白米を食べ慣れた人にとってはややハードルが高い食べ方ではあるようです。

そういった人には白米の風味を楽しみつつ、白米だけで不足している栄養素を摂取するとことができる「雑穀をブレンドする」

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自宅でブレンド米を楽しむ方法

自宅でブレンド米を楽しむ方法

お米の「味」を楽しむ方法の一つに
「ブレンド米をつくる」があります。

「ブレンド」とは「違う品種を混ぜることにより今までにない新しい味を作り出す」ことです。

しかし一般の人であれば
「そもそも品種ごとの味の違いがよく判らないのに、ブレンドしたらもっと訳が分からなくなるのでは?」
と思われるでしょう。

ここで「ブレンド米」の歴史について少し触れてみましょう。

私たちプロが仕立てる「ブレンド米

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[炊き比べ]電気炊飯器・土鍋・圧力鍋で「玄米」を炊いた場合の「違い」とは

[炊き比べ]電気炊飯器・土鍋・圧力鍋で「玄米」を炊いた場合の「違い」とは

玄米の糠層には食物繊維や、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。昔は今ほど精白しきったお米ではなかったため、おかずが少なくともお米さえ食べていれば極端に不健康になることはありませんでした。
江戸時代に精米技術が発達すると、江戸を中心に白米を食べる習慣が広まっていきました。しかしそれにより極端なビタミン不足になり、脚気が流行したのです。これを「江戸患い」と言いました。

「脚気がなぜ起こるのか」

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「白米」「分づき米」「玄米」の違いとは

「白米」「分づき米」「玄米」の違いとは

弊社 小池精米店には色々なお客さまがお越しになります。
その中に「玄米、置いてありますか?」とお尋ねされるお客さまもいらっしゃいます。
弊社は「精米」店ですから「玄米を精米する」ことが普段の業務の一つです。ただ弊社は常時80種類くらいのお米を置いてあるため、単に「玄米」では分かりません。そこで「どの品種になさいますか?」とお尋ねしますが、時々このような返答があります。

「玄米って、品種があるんで

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「冷めても美味しい」お米の話。

「冷めても美味しい」お米の話。

「冷めても美味しいお米、ありますか?」

お客さまから、本当によく尋ねられる質問です。もちろんこの質問は「ごはんをおひやにして食べたい」ということではなく、「炊飯からある程度時間が経過しても美味しく食べたい」という意味です。

冷めたご飯の需要は多いこういった質問が多いことから分かるように、お米の消費形態は「ほかほかごはん」だけではなく「冷えたごはん」を食べる機会もそれなりに多い、ということです。

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ブレンド米ってなに?

ブレンド米ってなに?

「ブレンド米」とは、違う品種のお米や同じ品種でも産地が異なるお米を混ぜたお米です。ブレンドはご存知の通りコーヒーやウィスキーでは普通に行われ、一つの「味」のジャンルとして市民権を得ています。

ではなぜお米は「あまり身近な存在」ではないのでしょうか?

ここで「ブレンド米」の歴史を見てみます(諸説あり)。

①ブレンド米が「必須」だった時代(近代~昭和30年代)昔は今のように美味しいお米が潤沢では

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お米屋さんが教える、お勧めのお米保管方法

お米屋さんが教える、お勧めのお米保管方法

「お米はいつまで食べられるのですか?」

米屋がよく受ける質問です。

そもそもお米は野菜と同じく生鮮食品であるため、袋詰めされてはいますが「加工品」ではありません。生鮮食品なので、当然「賞味期限」や「消費期限」の記載はありません。記載があるのは「精米時期」のみです。
つまり「食べられるかどうか」は消費者が購入した際の見た目や調理段階での香り等で判断することになるのです。

しかし一方でお米は乾物

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お米屋さんが教える「炊飯のコツ」

お米屋さんが教える「炊飯のコツ」

今回は「炊飯」の話ですが、「炊飯技術だけでは美味しいごはんには出会えません」ということを最初に確認しましょう。

・どの品種を選ぶのか。
・そのお米はどういった産地で、技法で栽培されているのか。
・今年の気候はどうであったのか。
・収穫後の乾燥・調製は丁寧に行われていたのか。
・精米は上手に行われているか。
・精米後の保管状況はどうなっているのか。

このように、ありとあらゆる場面で「お米の美味し

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お米を美味しく炊く秘訣は「研ぐ」のではなく「洗う」こと。

お米を美味しく炊く秘訣は「研ぐ」のではなく「洗う」こと。

私は普通の米屋ですが、日常の業務以外に「人前で話す」という仕事も頻繁にあります。
自分で主催するイベントもあれば、ご要望をいただいて参加するイベントや、各地での講演に呼ばれることもあります。
その中で一般消費者向けのイベントがあります。そこでお客さんから必ずと言っていいほど尋ねられる質問が「お米を美味しく炊くにはどうすれば良いのでしょうか」です。
そしてその答えの一つとして話すのが「お米は『研ぐ』

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米に親しみ、米を語る。「お米マイスター」はこんな資格。

米に親しみ、米を語る。「お米マイスター」はこんな資格。

「お米マイスター」。
ときどきメディアで耳にすることがあると思います。

実は、お米関連の資格はいろいろあります。
「ごはんソムリエ」「米・食味鑑定士」「お米アドバイザー」「東京米スター」……などなど。
それぞれの資格を承認する団体は異なっており、「お米マイスター」は米屋の全国組織である「日本米穀商連合会」が認定している資格です。

上記の資格は、いずれも米業界に携わっている人にとって魅力的なもの

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