「正しいお茶碗の持ち方」をご存知ですか?
早速ですが、皆さんは「正しいお茶碗の持ち方」と言われて、自信をもって、持つことができますか?
普段当たり前に使うお茶碗ですが、意外と持ち方を間違っている方が多くいらっしゃいます。洋皿に盛られたごはんを見る機会も多く、パン食が進んだことも原因のひとつかもしれません。
この機会にぜひ勉強してみましよう!
お茶碗の各部の名称
意外と知らない方が多いのですが、お茶碗にはそれぞれの箇所に名前があります。ぜひこの機会に知っておいてください。
【 見込み 】
うつわの内側の部分で、食べ物や飲みものを直接盛りつけるところ。
【 口縁(こうえん)】
うつわの縁(フチ)の部分。口造り(くちづくり)とも呼ばれる。
【 胴 】
口縁から腰までの部分。平らなお皿にはない。
【 腰 】
お茶碗の胴と高台の間の部分。を「腰」と呼びます。深めのお茶碗で、下部が張り出したようなかたちのものだけにある。
【 高台(こうだい)あるいは糸底(いとぞこ)】
お茶碗の底の円形状に突き出ている部分。
正しいお茶碗の持ち方
大前提として、小さい器やお皿は必ず手で持ち上げて食べるのが基本マナーです。お重や丼も同じです。
重たい大皿などは、片手で持つには重く危ないので持つ必要はありません。
持ち方は
「四本指を揃えて高台を支え、残りの親指を見込みに添える」。
これが基本です。
お茶碗は、最初は食卓などに置いてあることがほとんどだと思いますので、その場合は、親指を口縁に軽くそえて、残りの4本の指で横から胴の部分を支えて持ち上げます。それから反対側の手を使って一旦お茶碗を支え、利き手でお茶碗の高台を4本指で下から支えるのと同時に親指をお茶碗の口縁に添えましょう。
この持ち方のメリットは
・持っていて楽
・強く握らなくても持てる
・口に運びやすい
・中身が熱くても茶碗を持ちやすい
などが挙げられます。
昔は右手でお箸を持つのが基本とされていたので、お茶碗は左でと言われていました。現在でもそのように書かれているものもありますが、まずはこの基本を守っていれば美しい所作だと言えるでしょう。
間違ったお茶碗の持ち方
① 手のひらにお茶碗を乗せて持つ
食卓の上などにお茶碗を置いたまま食べるのは「犬食い」と呼ばれ、非常にみっともない食べ方とされていますが、この持ち方もそれと同等の食べ方とされてしまいます。
理由は、指は物を掴むところであり、手の平は物を置くところとされているからです。
② お茶碗の胴(側面)を支えて持つ
この持ち方は目にする機会が多いのではないでしょうか。コップを持つように胴を横から支える持ち方で、高台には触れない持ち方です。
これは見栄えが良くないだけでなく、熱い場合、お茶碗を持っているのが大変です。
③ 指をお茶碗にひっかけて持つ
この持ち方は、猫がお皿を爪で引っかけて手繰り寄せようとする様に似ており、「猫がけ」とも言われています。
お茶碗の内側に指が入っているのは、見ている相手に不快な気持ちを与えてしまうのでやめましょう。
いかがでしたでしょうか?
上に挙げた以外にも、高台だけで持つなど、マナー違反と言われる持ち方がたくさんあります。
また、お茶碗の持ち方だけ正しければ良いというわけではありません。お箸の持ち方や、食べ方のマナーも併せて身に着けておくことが大切です。
正しいお茶碗の持ち方をすれば、見た目も美しく常識ある人だという印象を与えることができます。普段のクセは、ふとした時に表れます。
ぜひ日頃から正しい持ち方をする習慣を心掛けましょう。
この記事を書いてくれた人:さとう きょうこ
専業主婦から毎日新聞社のライターを経て住宅会社に就職。広報、人事部を立ち上げ、『家を売るライター』として有名建築家や経営者、顧客を取材。雑誌書籍の編集や採用人事も担当。16年の勤務を経て2020年に独立。