日本の収穫祭「神嘗祭」。
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日本の収穫祭「神嘗祭」。

神嘗祭(かんなめさい)。
このお祭りは、パワースポットとしても有名な三重県「伊勢神宮」で、秋に行われる神事のひとつです。

伊勢神宮では年間1500回もの神事や祭事が行われていますが、その中でも最も重要と位置づけられています。

神嘗祭は分かりやすく言うと、「収穫の感謝を捧げる祭典」です。
神嘗祭は、伊勢神宮の外宮と内宮で数日間にわたり行われ、最終日には天皇陛下が神宮を遥拝されます。

秋は実りの季節で、米や野菜、果物などさまざまな大地の恵みの収穫シーズン。今年も無事収穫できたことへの感謝を込めて、その年に収穫された新米を誰よりも先に天照大御神(あまてらすおおみかみ)に捧げます。

神嘗祭の内容にはどんな意味があるの?

神嘗祭は721年から始まったとされています。721年というと8世紀、日本書紀が完成したのが720年ですから、とても長い歴史のある祭事です。明治時代までの太陰太陽暦では、9月17日に行なわれていました。
太陽暦に替わった1879年以降は10月に変更となり現在まで続いています。

中でも重要なのが10月17日の午後10時と午前2時の2回行われる由貴大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)の儀と呼ばれるものです。由貴大御饌とは「清浄で立派な食事」という意味があります。

伊勢神宮には皇室の祖神とされる天照大御神をお祀りする内宮(ないくう)と、衣食住を始め産業の守り神とされる豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りする外宮(げくう)を始めとした125もの宮社があります。
それら全ては神宮と呼ばれています。

その神宮神田で収穫された新米を、玄米のまま蒸して土器に盛り、御餅をつき備えられます。

新米の他には、アワビ・タイ・伊勢エビ・アユ・野鳥・柿・大根など、30種類を超える海や山の幸、白酒・黒酒(しろき・くろき)など4種類の酒も供えられます。

日本人にとって歴史が古く主食とされている米を中心に、五穀豊穣への感謝が捧げられているのですね。

「神嘗祭」と「新嘗祭」の違い

神嘗祭と同時期に開催されるお祭りとして、新嘗祭(にいなめさい)というお祭りがあります。
新嘗祭も神嘗祭とおなじ収穫祭ですが、大きな違いは、神嘗祭が伊勢神宮で行われるのに対し、新嘗祭は宮中と全国の神社で行われるという点です。

また、神嘗祭は天照大御神に新米を奉納するのに対し、新嘗祭は新米を奉納するだけでなく、天皇陛下が新米を召し上がるという違いがあります。
現在新嘗祭は、毎年勤労感謝の日と同じ11月23日に行われています。

大地の恵みへの感謝の気持ちを忘れずに

海外で同時期に行われているお祭りといえば、10月31日のハロウィンがあります。

日本では仮装を楽しむ方も多いですが、本来は秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す古代ケルト人起源の宗教的行事。お祭りの形式や場所は違っても、収穫に感謝する気持ちは世界共通ですね。

皆さんも、今年の新米を召し上がるときには、米を育む大地と、つくってくださる人へ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いてくれた人:さとう きょうこ

専業主婦から毎日新聞社のライターを経て住宅会社に就職。広報、人事部を立ち上げ、『家を売るライター』として有名建築家や経営者、顧客を取材。雑誌書籍の編集や採用人事も担当。16年の勤務を経て2020年に独立。


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