見出し画像

[土鍋で炊き込みごはん#13]子どもも好きな七草粥

Discover LIFE読者のみなさま、こんにちは。
土鍋料理研究家の塚田綾です。

あと数日で今年も終わり、新しい一年の始まりですね。
年末年始といえば、楽しみはごちそう。
大晦日の鍋と年越しそば、青のりと桜えびが入ったお雑煮、好きなものだけ詰め込んだおせち料理などなど、我が家にもささやかながら心弾む年末年始の献立があります。

ところでみなさん、七草粥は食べますか?
私は七草粥までが、正月〜年始のお楽しみです。

でも昔、子どもが小さかった頃、子どもにとって七草粥はぜんぜん嬉しくないメニューだったようです。

その頃作っていた七草粥はというと。
スーパーで売られている七草セットと米を塩味で煮ただけという、ネットで作り方を調べて、そのシンプルさに新米主婦はちょっと憧れさえ覚えて、「日本の古き良き風習」を生活に取り入れよう! と、まんま形にしたものでした。

しかしまあ、だしのきいてない塩のみで味付けした七草粥……、
子どもたちは食べないのです。
「縁起ものだから! 絶対食べよう!」
などと声掛けをして無理やり数口食べさせ、あとはポン酢や鶏ガラスープやバターを混ぜるなどして味変をして、すっかり原型をとどめない七草粥にしてなんとか完食まで持っていったものです……。

そして、時は経ち、私は変わりました。
我が家の七草粥も変わりました。
今では「要するに無病息災を願っていただく“年に一度のお粥”なんだから」と開き直り、子どもも大好きな味付けのハッピー七草粥を作るようにしています。

そんなわけで、今回ご紹介するのは我が家の七草粥。
だしききまくり、鶏肉入り、七草なし。
塩味だけは守っています。

子どもも好きな七草粥

【使用土鍋】
使用した土鍋は、容量が1500㎖〜のものです。
2〜3人で鍋料理をするのに丁度いい、中サイズの土鍋です。

【材料】約4人分
白米 150g
だし汁 1000〜1200㎖
鶏もも肉 1枚(約250g)
大根 100g
小かぶ(葉も) 1個
三つ葉 適量
カイワレ 適量
塩 小さじ1/2

【作り方】
(1)
米は研いで水気を切る。鶏もも肉に塩(分量外/肉の重さの1%程度)をふり、小さく切る。大根は皮をむいて小さく切る。小かぶは小さく切る。小かぶの葉・三つ葉・カイワレはざく切りにする。

(2)土鍋にだし汁・鶏もも肉を入れ、ふたをして中火にかける。沸騰したら大根・米を加え、再度沸騰したら弱火にして15分煮込む。

(3)軽く混ぜ、塩・かぶ(葉も)を加え、さらに5分煮込む。火を止めて10分余熱調理する。

(4)ふたを開けて三つ葉・カイワレを加えて混ぜる。

写真はだし1000㎖で作りました。もう少しさらっとしたい場合は1200㎖がおすすめ。

野菜はお好みで、三つ葉やカイワレはなくてもいいです(あった方が美味しい)。他にも七草っぽい、柔らかい野菜の芽のようなものがあったら入れたいな〜、などと思っています。
焼いたお餅を入れても美味しいですよ!

出汁は、七草粥を炊く土鍋で取っています。
土鍋に1000〜1200㎖の水とだし昆布10gぐらいを入れて火にかけ、沸騰したら鰹節30gぐらいを加えて火を止めます。そのまま3〜5分放置して、昆布と鰹節を除いたら完成。そのまま上記の工程に進みます。

濃いめの昆布鰹だしに鶏の旨み、大根やかぶのしっかり根菜だしもきいて、マズイわけないですよね。子どもも美味しく食べられる七草粥、ぜひ作ってみてください。

土鍋はだしも上手に取れるので、ぜひお試しを!

土鍋炊飯に慣れないうちは、加熱中はできるだけ土鍋のそばにいて、土鍋を見守ってください。
ふきこぼれたらふたを開けてかまいません。
まずは火を弱火にして、沸騰が落ち着くまでふたを開けたりずらしたりして、土鍋のご機嫌を取ってください。

次回の炊き込みごはんもお楽しみに〜!

この記事を書いてくれた人:塚田 綾(長谷製陶株式会社)
グラフィックデザイナーとして土鍋のカタログ作りに携わるうちに、料理好きということもあり土鍋の虜に。以来、15年間ほぼ毎日土鍋で家族の食事を作り、土鍋レシピを提案し続けています。
伊賀焼窯元 長谷園にて土鍋コーディネーターとして活動中。