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食から始まる豊かな生活を再発見するメディア「Discover LIFE」です。 日本人の主食である「お米」の歴史や食文化・食べて痩せるダイエットなど、知っているようで意外と知らないトリビアから暮らしに役立つ情報まで、さまざまな視点でご紹介します。

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連載「すしの歴史をたどる」⑥「にぎりずし」のはじまり

江戸後期、少なくとも文政年間(1818-1830)に誕生していた「にぎりずし」。 正確な誕生の時期や発祥の店は定かではないですが、極めて有力とされている店が2店ありました。 それが「與兵衛ずし」と「松ヶ鮓」です。 にぎりずしの誕生=すしと山葵の出会い“にぎりずしの元祖“として最も有力なのが、華屋與兵衛(小泉與兵衛)が起こした「與兵衛ずし」。 1799年に霊岸島(現在の東京都中央区新川)生まれの與兵衛が行商から身を起こし、文政7年(1824)、元町(現在の墨田区両国)に「華

    • 日本の米は、まだまだ可能性がある!

      突然ですが……。 私、小池精米店・三代目、五ツ星お米マイスターの小池理雄が、7月17日に本を出版しました。 今回は、その本を少しご紹介いたします。 お米を食す方・作る方・販売する方、お米に携わるたくさんの方に読んでいただきたい一冊です。 タイトルは『なぜ、その米は売れるのか? 進化する原宿の米屋のマーケティング術』(家の光協会)です。 お米についての本は数あれど、その中身は品種の話であったり、炊飯の話であったり、おにぎりの話であったり、どちらかと言えば「お米が売れているこ

      • [ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑲甘酒で夏を乗り切る!!

        まだまだ残暑が厳しい今日この頃……。 暑さゆえに冷たいものが多くなり、腸が弱って、ココロもカラダもお疲れモードの方も多いのではないでしょうか。 夏バテを解消するためには、しっかりと栄養を摂ることが大切ですが、この季節は食欲が落ちてしまう方も多いはず。 そんな方におすすめなのが、 日本の伝統的な飲み物である「甘酒」です! 甘酒は、お米を発酵させて作った栄養満点の飲み物です! 「飲む点滴」とも言われています。 甘酒の種類甘酒には、米麹から造るものと、酒粕から造るものとがあ

        • 千石豆って何のこと? 岐阜県郷土料理「千石豆のかきまわし」

          突然ですがクイズです。 岐阜県で一番多く作られている農畜産物は何でしょうか? トマトなどの野菜? それとも飛騨牛の牛肉や乳製品? 実は…… お米の生産量が一番なんです! 今回は、お米に「あるもの」を混ぜた郷土料理をご紹介します。 「かきまわし」って炊き込みごはん? それとも混ぜごはん?北側には飛騨の美しい山々が連なり、南側には木曽三川によって作られた濃尾平野が広がる岐阜県。清らかな山と豊かな水の恵みによって、美味しいお米が作られています。 そのお米に千石豆などの具材を

        連載「すしの歴史をたどる」⑥「にぎりずし」のはじまり

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          [土鍋で炊き込みごはん#9]ナシゴレン風混ぜごはん

          Discover LIFE読者のみなさま、こんにちは。 土鍋料理研究家の塚田綾です。 先日仲の良い友人たちと「暑気払いだ!」と、近所の居酒屋に出掛けました。どのお料理もとても美味しくて、お酒が進み……、最後にシメでごはんものを注文することにしました。 選んだメニューは「ナシゴレン」。 そんなにエスニック色が強くない親しみやすい味で、絶品でした。 今回はその居酒屋ナシゴレンを思い出しながら、再現レシピをやってみようと思います。 インドネシア風のチャーハンとも言われる「ナシ

          [土鍋で炊き込みごはん#9]ナシゴレン風混ぜごはん

          連載「すしの歴史をたどる」⑤「大阪ずし」と「江戸前ずし」

          いまでも大阪では「にぎりずし」のことを「江戸前ずし」と呼んでいます。 これは「にぎりずし」が、江戸(東京)から伝わったことにほかなりません。 江戸後期に入ると「すし」は江戸と大阪、双方で独自の発展をしていきました。 「押しずし」から「大阪ずし(箱ずし)」へ「押しずし」の歴史は古く、その原型は「生成(ナマナレ)」が登場した室町時代に大阪で生まれたとされ、型枠に飯と魚を詰め込む方法が取られていたようです。 江戸に入り「早ずし」の時代になると、ナマナレと同様、大阪では「棒ずし」

          連載「すしの歴史をたどる」⑤「大阪ずし」と「江戸前ずし」

          [ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑱夏野菜を味方にして夏バテ防止

          梅雨も明けて、いよいよ夏本番です! 夏を思いっきり楽しむためには、夏バテ予防が大切です。 夏バテとは、夏に感じる 「身体がだるい」 「食欲が出ない」 「疲れやすい」 といった症状を呼びます。 夏バテの原因夏バテの原因はいろいろですが、高温多湿により体温調節が難しくなり、睡眠不足や食欲減退による栄養不足で、自律神経が乱れやすくなることが原因の一つに挙げられます。 また発汗による脱水で体内の水分バランスが乱れ、体力の低下や倦怠感を引き起こすこともあります。 夏バテの予防と対

          [ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑱夏野菜を味方にして夏バテ防止

          [どうしてそうなった!?]星空舞

          [どうしてそうなった!?]は、変わったお米のネーミングの由来についてご紹介していくシリーズです。 今回のお米は 鳥取県の「星空舞」です。 鳥取県……都内の人にとっては馴染みの薄い県の一つでしょう。 それは、西日本にお住いの方が、関東地方の各県の位置が曖昧なのと同じで、都内在住の多くの方が鳥取県の正確な位置までは把握していません。普段からそのような位置づけである鳥取県のお米……と言われても、都内の人はいまいちピンとこないかもしれませんが……。 そんな鳥取県からデビューした

          [どうしてそうなった!?]星空舞

          すり鉢いらずで本場の味! 宮崎県郷土料理「冷や汁」

          暑いというよりも熱いと言いたくなるような日が続く、現代日本の夏。 食欲もなくなりそうなときに、滋養たっぷりの「冷や汁(ひやしる)」はいかがでしょうか? 今回は焼いた魚と味噌の香ばしさや、さわやかな薬味の風味が楽しめる、宮崎県の郷土料理「冷や汁」をご紹介します。 暑い宮崎の「冷や汁」は天下一品九州の南東に位置する宮崎県。 ここでは、豊かな大地や澄んだ水など、自然の恩恵を最大に活かした農業や漁業が行われています。 「冷や汁」は、夏の炎天下の宮崎県で農作業する人々に伝えられてき

          すり鉢いらずで本場の味! 宮崎県郷土料理「冷や汁」

          [土鍋で炊き込みごはん#8]アジの干物と梅干しの炊き込みごはん

          Discover LIFE読者のみなさま、こんにちは。 土鍋料理研究家の塚田綾です。 毎日暑いですね〜! 食欲が湧かず、毎日の献立アイデアも浮かばず、苦しんでいる方もいるのではないでしょうか。私は苦しんでおります。笑 手の込んだ調理は極力避けて、切るだけ・乗せるだけ・焼くだけ・煮るだけ・チンするだけで美味しい……、そんな一品を追い求めています。 しかし今回ご紹介する「アジの干物と梅干しの炊き込みごはん」は、ちょっとだけ手間がかかります。しかし作りはシンプルで、できあがるも

          [土鍋で炊き込みごはん#8]アジの干物と梅干しの炊き込みごはん

          連載「すしの歴史をたどる」④酢がもたらした江戸中期の「すし革命」

          室町時代、「すし」の源流となる「なれずし」は「生成(ナマナレ)」へ。これまで捨てていた米(飯)と発酵した魚を一緒に食べる、という進化を遂げました。 江戸時代に入って平和な時代が続くようになると、江戸庶民の間ではさまざまな食文化が発展しました。 この時代における「すし」の大きな進化は、酢を利用しはじめたことです。 「早ずし」の登場これまでの「すし」は、魚・塩・米(飯)を原料とし、漬け込んで乳酸発酵させて食していました。 江戸時代に入ると、ここに酢を取り入れ、乳酸発酵をさせず

          連載「すしの歴史をたどる」④酢がもたらした江戸中期の「すし革命」

          ブランド米とはなんぞや

          「ブランド米」。 よく聞く言葉だと思いますが、実はその定義はあいまいです。少なくとも何か法律でその定義が決まっているわけではありません。 最近、都道府県レベルの地方自治体から多くの新品種がリリースされています。その中でも私がはっきりと「ブランド米」と言えるのは、「つや姫」と「ゆめぴりか」です。 私は消費者向けにイベントを行うことが度々ありますが、その際に「知っているお米はどれ?」といった簡単なアンケートを取ることがあります。その際に必ず出てくるのがこの二つなのです。そう、そ

          ブランド米とはなんぞや

          [ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑰七夕の定番はそうめん? 5色の七夕ちらし寿司を作ろう!

          江戸時代に五節句の一つに定められ、別名「笹の節供」「星祭り」といわれる七夕(たなばた)。 七夕は織姫と彦星の物語や、短冊に願いを書いたりと、今でも多くの方に親しまれている行事の一つです。 七夕の由来は諸説ありますが、簡単に説明すると、中国から日本に伝わった星祭りだそうです。 乞巧奠(きこうでん)という中国の行事は、機織りが得意な織姫にあやかって人々が裁縫の上達を願う行事です。7月7日に祭壇を飾り、星へ祈りを捧げた日が、やがて裁縫以外の才も上達を願う行事となりました。 そし

          [ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑰七夕の定番はそうめん? 5色の七夕ちらし寿司を作ろう!

          おいなりさんとは何が違う?鳥取県郷土料理「いただき」にびっくり

          見た目は大きないなり寿司のようだけど、調理法や味わいが異なるのが鳥取県の「いただき」。脳がいなり寿司を想像していると、食べて味のギャップに驚くかも……。 砂丘に港、鳥取県の恵みを味わうなら鳥取県といえば、鳥取砂丘を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実は鳥取県には他にも砂丘があり、例えば中部には北条砂丘が、さらに西部には砂だけでできた砂丘半島の弓ヶ浜半島があります。 この弓ヶ浜半島〜米子市にかけて親しまれてきた家庭料理が「いただき」です。   一見いなり寿司のように

          おいなりさんとは何が違う?鳥取県郷土料理「いただき」にびっくり

          [土鍋で炊き込みごはん#7]とうもろこしまるごと炊き込みごはん

          Discover LIFE読者のみなさま、こんにちは。 土鍋料理研究家の塚田綾です。 夏はもうすぐそこ。そんなふうに感じる気候になってきました。 梅雨が明けるのが待ち遠しいですね。 先日市場に行ったら、大きなズッキーニやなす、カラフルなカブなどがたくさん売られていて、とても美味しそうで、さっそくサラダやカルパッチョでいただきました。見た目も味も良くて、大満足でした! さて今回は、夏野菜代表のとうもろこしで「とうもろこしまるごと炊き込みごはん」を作ります。 実はもちろん、芯

          [土鍋で炊き込みごはん#7]とうもろこしまるごと炊き込みごはん

          「すしの歴史をたどる」③すしの源流「なれずし」とは

          「すし」の起源は東南アジアにあり、現在もタイ北部とラオスにまたがるメコン川流域を中心に「なれずし」が残っています。 日本でも数は少ないながらも「なれずし」が郷土の食として残っています。 今回はすしの源流である「なれずし」が、日本国内でどのように発展していったかをご紹介したいと思います。 「なれずし(ホンナレ)」と「生成(ナマナレ)」「なれずし(ホンナレ)」は、魚・塩・米(飯)を原料とし、漬け込んで乳酸発酵させたのち、飯を取り除いて魚だけを食べるものをいいます。 その語源

          「すしの歴史をたどる」③すしの源流「なれずし」とは