[ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その㉚お酢のすごいパワー
お酢は、人間が手がけて作り出した最古の調味料と言われています。
酢の歴史はとても古く、紀元前5000年ごろのバビロニア(現在のイラク)で使われていたと言われています。
人類の祖先が果物や穀物を蓄えている間にアルコールができ、さらに自然の酢酸菌が作用して偶然誕生したものがお酢の起源。人類の歴史とともにあった調味料といえます。
日本でのお酢の歴史
日本のお酢といえば、米を原料としてつくられた米酢です。
中国から酒を造る技術とともに米酢の醸造技術が伝えられたのが始まりであると言われています。
江戸時代(17世紀)には寿司が広まり、寿司酢として米酢が多く使われるようになりました。この時期には、米酢が寿司の味を引き立て、魚の保存にも役立つことが広く認識されました。
幕末になると「にぎり寿司」や「いなり寿司」が誕生し、庶民の間で大変な人気を集めました。
お酢の種類と活用法
◎米酢
米が原料の日本を代表するお酢です。
米で造られているため、お寿司や酢の物など日本料理には最も適していて、米の甘みやまろやかさが特徴です。
→ 酢の物やドレッシングに加えると、本来の味わいが引き立ちます。
◎黒酢
米酢の一種で、玄米が原料です。
長時間じっくりと発酵させるため、深い琥珀色をしているのが特徴です。黒酢はツンとした匂いが少なく芳醇な香りで、味わいもまろやか。コクがあって風味豊かです。
また黒酢は栄養面でも優れており、ビタミンやミネラルを含むほか、タンパク質の合成に不可欠なアミノ酸も豊富です。体内では合成できない必須アミノ酸全9種のうち8種をバランス良く含有しています。
→ 中華料理や炒めものなどに適しています。
◎果実酢
果実酢とは、1~2種類以上の果実を用いた食酢のことです。
りんご酢やぶどう酢も果実酢の一種です。さわやかな酸味のなかに、果実ならではの甘みも感じられるのが果実酢の特徴です。
→ マリネやドレッシング、ドリンクなどに適しています。
米酢がもたらす健康効果
酢は「酢酸(さくさん)」とよばれる酸を主成分とします。酢酸は、お酢独特の酸味や、鼻を刺す刺激臭の元となっており、この酸味や刺激臭は胃酸の分泌を促します。
また、酢酸には胃腸の消化機能を活性化する作用もあるため、食べたものの消化を促すことでも便秘の解消にアプローチしてくれます。
そのほかにも、米酢には動脈硬化などの原因となるドロドロの血液を、キレイに流れやすくする効果があるとされています。これにより、腰痛や肩こりと言った血流が原因の不調を予防・改善をする効果が期待されています。
お米にちょい足し!
ここで、ちょっとした工夫を紹介します。
ご飯を炊くときに酢を少し加えると、たんぱく質の吸収が良くなります。米のたんぱく質は消化しずらく、吸収率も低いのです。炊飯時にお酢を入れるとカルシウムが溶け出し、お米のたんぱく質が吸収しやすくなるそうです!
お酢には殺菌・抗菌効果があるので、暑い季節には特に試したい炊飯方法ではないでしょうか(お米1合に対して小さじ1弱を目安に、お好みで調整してください。炊飯器の取り扱い説明書で確認してからお試しください)。
基本の酢飯
【 材料 】ご飯2合分
ごはん 2合
【 すし酢 】
米酢 50㎖(大さじ3と1/3)
砂糖 大さじ1と1/3
塩 5g(小さじ1弱)
炊き立てのごはんをボウルに移し、すし酢をしゃもじに伝わせるようにして、全体にまわしかけます。ごはんとすし酢がある程度混ざれば、しゃもじを横に切るように混ぜます。
さっぱり酢飯deまぐろアボカド丼
【 材料 】
まぐろ 200g
アボカド 1/2個
酢飯 丼2杯分
青ねぎ(小口切り) 適宜
白ごま 適宜
【 調味料 】
★だし醤油 大さじ3
★みりん 大さじ1
【 作り方 】
① まぐろとアボカドは1.5㎝の角切りにし、★の調味料に10分程漬けておく。
② 丼にご飯を盛り、①をのせる。お好みで青ねぎ・白ごま・だし醤油(分量外)をかけて食べる。
酢は料理の味を引き立てるだけでなく、健康にも良い効果があります。
ぜひ、いろいろな料理に取り入れてみてください!
この記事を書いてくれた人:かんきゆうこ
ほぼ365日玄米ライフ。
時々走ったり、時々登ったり。
好きなことを続けるために、ストレスにならない食事の取り方を探求中。