幻の古代米「緑米」を実際に炊いてみた!
スーパーなどで見かけることも少ない「緑米」。
緑色のお米なの? 本当に食べられるの? いつも食べているお米とどんな違いがあるのでしょうか。今回は、謎のヴェールに包まれた緑米をリサーチしたいと思います。
もち米の一種だった! 緑米のヒミツ
緑米とはもち米の一種で、日本の中でも生産量が少ない貴重な品種です。稲穂は濃い紫色ですが、脱穀するとほのかな緑色を帯びているのが特徴。玄米の皮の層に緑色の色素があり、クロロフィルという成分が含まれています。
日本では縄文時代に古代中国から伝わった緑や赤、黒などの色のついたお米が食べられていました。それらは古代米と呼ばれていますが、明治時代以降はほとんど生産されなくなりました。古代米は稲の原種である野生稲の特色を受け継いでいて生命力が強いのですが、稲の背丈が高く倒れやすい・稲の花が咲く時期が決まっていないため収穫時期の見極めが難しいなど、栽培に大変手がかかったからです。そのため収穫量が減り、現代では市場にもあまり出回っていません。緑米は古代米の中でも生産量が一番少なく、日本では貴重なお米のため「幻の米」と呼ばれているようです。
緑米で簡単にヘルシーライフが叶う!?
日本ではあまり見られない緑米ですが、もち米の一種ということで、甘みと粘り気があるのが特徴的です。ご飯は硬めが好み・しっかりとした噛み応えやモチモチ感が好き、という方にはぴったりのお米ですね!
またその豊富な栄養素も見逃せません。
緑米に含まれるクロロフィルは、植物や藻類の葉緑体の中にある成分です。そのため緑黄色野菜のように食物繊維、ビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれています。クロロフィルには、コレステロールチを抑制したり血液をサラサラにする働きがあり、貧血の予防・改善に役立つのだとか。またビタミンB1は疲れにくい身体作りには欠かせない栄養素ですね。
緑米は白米に比べてたんぱく質、ビタミン・ミネラルなどを多く含んでいるため、近ごろでは健康食として注目を集めているようです。現代人の不足しがちな栄養素を補ってくれる、緑米。お米好きとしては、その風味や味わいが気になります……!
栄養たっぷり「幻の米」緑米を炊いてみた
緑米はスーパーなどでは取り扱いが少ないため、栽培している農家さんを探して直送してもらうのがおすすめです。特別な手間や炊き方は必要なく、白米と同じように炊飯器や鍋で簡単に炊くことができます。割合は、白米1カップに対して緑米を大さじ1杯程度をブレンドするとのこと。
【 材料 】約4人分
・白米 2カップ
・緑米 大さじ2杯
・水 2カップ
【 作り方 】
(1)まず白米だけを研ぐ。
(2)研いだ白米に緑米を混ぜて軽く洗う。
(3)浸水させる(30分~1時間を目安に)。
(4)通常通り炊飯する。
(5)炊き上がりのご飯をよく混ぜて完成!
ご飯は硬めの仕上がりになりました。
炊きたての緑米を、いただきまーす!
緑米はもち米のため、少量混ぜただけでもご飯がもちもちとした食感に。玄米の部分もとてもやわらかいため、パサつきなどは感じず、口に残ることもありません。水分をしっかりキープしているようなみずみずしさや、ほのかな甘みも感じられます。普通のもち米よりも粘りが強いためしっかりと噛みしめていると、ご飯が持つ味わいと満足感がアップしたように感じられました。よく噛むことによって満腹感も得られるので、低糖質を心がけている方にもおすすめの食材かもしれません。
この記事を書いてくれた人:井上リエ
プロフィール:東京都在住。図書館司書を経て、ライター活動中。食べること料理すること、玄米とワインを愛する食いしん坊。
趣味はヨガ、旅行、ハーブの栽培で、健康と美容への探求心も旺盛。