3度の禍にも負けず。京王百貨店「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」の底力。
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3度の禍にも負けず。京王百貨店「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」の底力。

鉄道ファンのみならず、全国各地で開催される「駅弁大会」。
百貨店で最初に開催されたのは1953年(昭和28年)の大阪高島屋と言われていますが、現在も続くもので一番古いのは、熊本の鶴屋百貨店で1965年(昭和40年)から。
そして全国一の知名度と規模を誇る、東京・新宿の京王百貨店「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」は、1966年(昭和41年)2月に第1回が開催されました。いつからか「駅弁甲子園」とも呼ばれ、すっかり冬の風物詩となっています。

最大級のイベント、京王百貨店の駅弁大会

京王百貨店の駅弁大会取扱商品数は、実演販売と輸送販売を合わせ何と300種以上! 全国で販売されている駅弁はおよそ2000種類ほどあるとされているので、実に全体の15%以上の駅弁が一堂に揃うというから驚きです。
また売上は会期2週間で6億円以上(過去最高は2010年の7億1千万円)、販売食数は30万〜40万食にも上るという、売上・規模ともに、全国すべての百貨店催事の中で最大級のイベントとなっています。

京王百貨店新宿店が全館開店したのは、前回の東京オリンピックが行われた1964年11月。
第1回大会はそれからわずか1年3ヶ月後、1966年2月に開催されました。
その当時販売された駅弁はたった30種ほど。にもかかわらず、会期9日間の売上は4,600万円を越えたそうです。
高度経済成長期の真っ只中とはいえ、大卒初任給が21,600円だったことを考えると、初回からとんでもない大ヒット催事だったことがうかがえます。

堂々の売上高第1位は、山陰本線鳥取駅のアベ鳥取堂「かに寿司」。そして第4位には、函館本線森駅の阿部商店「いかめし」がランクイン。その後「いかめし」は、2018年には売上個数ランキング1位通算50回を達成。
活気あふれるいかめしの実演販売は、京王百貨店のみならず、全国の駅弁大会に欠かせない駅弁として、その名を知らぬ人はいないほどです。

このように60年近い歴史を誇り、絶対的存在の京王百貨店の駅弁大会ですが、ここまでの道のりは、決して順風満帆だったわけではありません。

震災による影響

最初に迎えた大きな禍は1995年1月。
第30回駅弁大会の開催は、奇しくも阪神・淡路大震災と重なりました。第2回大会から出店し、「ひっぱりだこ飯」で有名な神戸の「淡路屋」も、震災で工場に被害を受けました。
しかし、早々に地元神戸で炊き出し活動や復旧従事者への給食づくりを再開。「1日も早い復興を」と、社員2人が3日遅れで新宿にトラックで駆けつけ、その姿に会場にいた来場者や同業者らは大いに沸いたそうです。

2011年に発生した東日本大震災では、東北地方の駅弁事業者の多くが被災。まだ復旧をしていない路線が数多く残り、被害の爪痕が大きく残る中での開催となった2012年の第47回駅弁大会では、「がんばろう日本! 東北駅弁特集」が組まれ、実演販売を中心に大きな盛り上がりを見せました。

売り場の分散とネット注文を駆使した2021年

そして2021年1月開催の第56回大会。
2020年に発生した新型コロナウイルス禍が収まりを見せない中、百貨店も時短営業を強いられ、人が多く集まる催事実施の判断は困難を極めました。まして、行列必死の京王百貨店の駅弁大会。出した答えは、3フロアへの売り場分散とネット注文を駆使した開催でした。
上階にある催事場に来場者を上げ、下階の売上を引き上げる“シャワー効果”が催事の常。百貨店の常識を覆す判断ができたのは、過去2度の大きな禍を乗り越えた実績と、駅弁を愛するすべての人たちの想いがあってからこそでしょう。

2022年1月に開催される予定の、第57回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。感染防止対策をしっかりして、足を運びたいと思います。

この記事を書いてくれた人:江戸川渓谷(えどがわけいこく)
プロフィール:三度の飯とおにぎりが好き。趣味は道の駅めぐりに商店街散策、メタボ対策のトレッキング。うまいものは足で稼ぐのが信条。ゲットした惣菜で晩酌するのが最近の楽しみ。

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