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パン・お団子・生春巻き・揚げ物。グルテンフリーで美味しい「米粉」の基礎知識

「米粉パン」「米粉スイーツ」
こんな言葉を目にしたことはありますか?

近年、米粉を使った食事が注目されています。米粉には小麦アレルギーの方だけでなく、毎日使いたくなる魅力がたくさん。

米粉の特徴や気になる活用法まで、米粉の魅力をご紹介します。

「米粉」(こめこ)って何?

米粉はその名の通り「お米を細かく砕いて粉状にしたもの」です。
「一度も食べたことないなぁ」という方。
ちょっと考えてみてください。
たとえばお餅やお団子、お煎餅、ライスペーパーはすべて米粉からできています。実は昔から私たちの食生活には馴染みがあるものなんですよ。

米粉の歴史は古く、奈良時代に遣唐使によって唐のお菓子が日本に伝わり、この頃から米粉を使った煎餅のようなものが作られたのが最初と言われています。 江戸時代には茶道の普及により和菓子が作られるようになり、その原料として米粉が使われました。
米粉には、うるち米でつくる「上新粉」、もち米からつくる「もち粉」や「白玉粉」などがあります。いずれも和菓子に多く使われており、スーパーなどで手軽に購入することができます。

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米粉が注目され始めた理由

製粉技術の発達により、粒子の細かい米粉の製造が可能となったことで、パンや麺類、ケーキなどに幅広く米粉が使えるようになりました。

そして米粉商品の開発・販売が進み、その名が一般的に知れ渡るようになりました。

ではなぜ米粉の開発が進んだのでしょうか。

その背景には、食の安全志向や小麦の価格高騰など、さまざまな理由があると考えられています。

日本では、パンやケーキに使われる小麦を殆ど輸入に頼っていますが、食事の欧米化に伴い、小麦の消費は増加の一途を辿っています。

その一方で、日本国内で収穫された米の消費は低迷しています。昭和37年頃は1人当たり年間120kgものお米を食べていたのが、現在では1人当たり年間54kg程まで減少。1世帯当たりの平均支出金額は、パンがお米を上回っています。

そういった背景もあり、和菓子だけでは米粉の消費拡大が難しいことから、色んな製品に利用できるよう、開発が進んだと言われています。

グルテンを含まない、ケーキはモチモチ・揚げ物はサクサク食感の米粉

米粉の食感は、モチモチとしているのが特徴です。
小麦粉に比べると油の吸収率が低いので、とてもヘルシーに仕上がります。例えばてんぷら粉を小麦粉でなく米粉で作るとダマになりにくく、揚げるとサクサク感が長く続きます。

もう一つの大きな特徴は、米粉には「グルテン」が含まれていないことです。グルテンとは、小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質が絡み合ってできたもの。
このグルテンが原因でアレルギー反応が出る方は、小麦粉食品を食べることができません。

グルテンが含まれていない米粉でできたケーキやクッキーなら、アレルギーをお持ちのお子さまでも食べることができます。

但し、グルテンを加えた米粉もあるので、小麦アレルギーの方は、米粉100%を選ぶよう表示ラベルの確認を忘れないよう気を付けましょう。

米粉を食べることで、日本の文化や農業を応援

現在、日本の食料自給率(カロリーベース)は37%で、先進国の中では最低レベルです。そこで米粉を使ったパンや麺を食べることで、食料自給率アップだけでなく、日本のお米文化、農業を守ることにも貢献できそうです。

人間は住んでいる地域で採れた作物を食べるのが体に合うといわれています。そう考えると、米粉が日本人の体質にも合っていると言えるでしょう。

現在では、米粉を使ってパンが焼けるホームベーカリーが販売されており、米粉を使ったレシピもインターネットに多数掲載されています。ぜひあなたのお気に入りレシピを見つけて、美味しい米粉料理にチャレンジしてみてくださいね。

【参考資料】
・農林水産省「食糧需給表」資料より 
・農林水産省 令和元年度食料自給率
・農林水産省 米をめぐる関係資料
・総務省統計局調査「主食3項目の支出金額」より


この記事を書いてくれた人:さとう きょうこ
専業主婦から毎日新聞社のライターを経て住宅会社に就職。広報、人事部を立ち上げ、『家を売るライター』として有名建築家や経営者、顧客を取材。雑誌書籍の編集や採用人事も担当。16年の勤務を経て2020年に独立。


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