おにぎりは二重人格!? “おにぎりダイエット”の秘密
おにぎりでダイエット!?
おにぎりと言えば、ごはんのカタマリ。
ごはんと言えば、糖質のカタマリ。
糖質と言えば、ダイエットの大敵。
毎年やってくるメタボ健診が脅威でしかない中年真っ只中の私にとって、
「糖質オフ」という言葉は悪魔の呪文にほかならない。
糖質オフ、とうしつおふ、トウシツオフ・・・・・・・
10回程度口ずさんだところで、1カロリーの消費にもならない。
ましてや、物心つく前から食べていた愛すべきおにぎりを断つなんて、
考えただけで夜も眠れなくなってしまう。
ゆえに晩酌後、夜食でおにぎりを食べてしまう。
そう、おにぎりは一服の清涼剤・・・
と、こんなことを言いつづけているから、一向に体質改善がなされないわけだ。
ところが、もう3年ほど前になるが、耳を疑うニュースが飛び込んでくる。
あの全農が「おにぎりダイエット」(現在はさらに進化して「おにぎりダイエット+ウォーク」)なるプログラムを始めたというのだ。
「おにぎり」でダイエット!? にわかには信じがたい組み合わせである。しかし、さすがは全農。もちろん科学的根拠のある話なのです。
ポイントは「インスリン」
誰しも一度は耳にしたことがあるであろう「インスリン」。
カラダの中で役に立つ何かだ、という認識はあるものの、その役割をしっかり把握できている方は意外と少ないのでは。
「インスリン」の役割を説明するとこうなります。
①すい臓から分泌されるホルモンの一種で、体内に取り込まれた糖が細胞の中に取り込まれるよう働きかける。
②人体がエネルギー切れを起こさないよう、糖を動物性でんぷん「グリコーゲン」に変化させ、肝臓や筋肉に蓄積する。
③肝臓で蓄積されずに余った糖を、中性脂肪として細胞脂肪に取り込む。
ざっくり言えば、インスリンが「糖がたくさんありすぎて、肝臓まで運ぶのめんどくせー」となったら太るということなのです。
おにぎりは食物繊維のカタマリ!?
では「おにぎり」が太りにくいとはどういうことなのでしょうか。
それにはこんな理由が挙げられます。
①ごはんはパンに比べて脂質が少なく、糖の消化吸収スピードが緩やかである。
②おにぎりは、個数によって糖質量をコントロールしやすく、摂取し過ぎないで済む。
③冷めたごはん(おにぎり)は、でんぷん質の一部が食物繊維に似た難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)に変化する。
とりわけポイントとなるのが③で、難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)は、糖質や脂肪の吸収を抑え、腸内環境を良くする働きがあると言われています。
冷めたごはんには、「糖質」と「難消化性でんぷん」という相反する性格を持った炭水化物が共存することになります。
おにぎりはこの「2つの性格」を持つので太りにくいのです。
ちなみに「食物繊維」も栄養成分上は炭水化物の一部に分類され、「糖質」との違いは体内の消化酵素で消化できるかどうかの違いです。
“おにぎりダイエット”には、こんな秘密があったのですね。
この記事を書いてくれた人:江戸川渓谷(えどがわけいこく)
プロフィール:三度の飯とおにぎりが好き。趣味は道の駅めぐりに商店街散策、メタボ対策のトレッキング。うまいものは足で稼ぐのが信条。ゲットした惣菜で晩酌するのが最近の楽しみ。