見出し画像

[ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑬春を迎えるぼた餅(みりんあんこでつくるぼた餅)

ある年の春分の日、春分の日ってどんなものを食べるといいんだろう……と調べたことがありました。すると、

ぼた餅・お赤飯・お彼岸そば(うどん)・つくし・八朔

などが出てきました。
今回はその中から「ぼた餅」にスポットライトを当ててみたいと思います。

ぼた餅とは

春分の日というより、春のお彼岸にはお供え物として「ぼた餅」を用意する習慣があります。

春は桜などの多くの花が咲き誇る季節であり、春に咲く花のひとつに牡丹があります。小豆の色が牡丹に似ていることから、「ぼたん餅」と呼ばれるようになり、やがて「ぼた餅」と呼ばれるようになったと言われています。

お彼岸になぜぼた餅(おはぎ)?

昔から赤という色には“魔除け”の効果があるとされてました。
そのため赤い小豆は五穀豊穣を象徴する米と組み合わせて祭事に用いられてきました。邪気を払い、先祖の霊を慰めるために、お彼岸にぼた餅(おはぎ)がお供えとして捧げられてきたようです。

ところでぼた餅とおはぎってどう違うの?

諸説あるそうですがぼた餅は、牡丹は丸くて大きな花をつけるので、それにならって丸く大きくつくります。
また、小豆の収穫時期は秋なので、春のお彼岸まで保存された小豆は、固くなってしまいます。そのため、春に食べる「ぼたもち」には、固い小豆が食べやすくなるよう潰したこしあんを使うそうです。 

一方、秋のお彼岸に食べる「おはぎ」は、秋の花である萩から「おはぎ」と言われるようになりました。萩の花は小さいので、小ぶりの俵形につくります。そして、秋に収穫されたばかりのやわらか小豆を使うので豆のそのままのおいしさを味わうため、粒あんを使うといわれています。

おはぎ

ちなみに今ではほとんど使われていないそうですが、夏は「夜船(よふね)」冬は「北窓(きたまど)」と呼ばれていたそうです。

小豆の持つ嬉しい5つのチカラ

冒頭で小豆には魔除けの効果があるとされてきたと書きましたが、その理由としては小豆の赤い色が太陽や火、血といった「生命」を象徴するものと考えられ、呪術的な力を持った特別な食材として使われるようになったことが始まりと言われています。

そんな不思議なチカラをもつと信じてこられた小豆には、カラダに嬉しい効能が5つもあります!

 その1:食物繊維で便秘解消
食物繊維は小腸で分解されずに大腸まで届き、便の量・水分を増やし、便が腸内にとどまる時間を短くしてくれます。

 その2:ポリフェノールでアンチエイジング
ポリフェノールは抗酸化作用があり、活性酸素(身体を酸化させる物質)を消去する力があります。

 その3:鉄分補給で貧血予防
赤い色素に鉄分が多く含まれていて、貧血や目眩(めまい)の症状を改善する働きが強いとされています。

その4:サポニンで血液をサラサラ
あずきの外皮に含まれるサポニンは、コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血糖値の上昇を抑え血液の流れを良くします。

その5:ビタミンB1で冷え性改善
食事から摂った炭水化物が酵素で分解されることによってエネルギーが生じます。その酵素の働きを助ける役目をビタミンB1は担っています。

普段の食卓にはあまり登場することがない小豆ですが、嬉しい効能がたくさんあります! またデトックス効果も期待できる食べ物の一つでもあるので、冬に溜め込んだ毒素を排出するのにも一役買ってくれるでしょう!

残りご飯でぼた餅を作ろう

ご家庭で簡単に作ることができる、残りご飯を活用したぼた餅レシピをご紹介します。

【 材料 】
残りごはん 茶碗1杯(約100g) 
お湯 大さじ1 
砂糖(お好みで) 小さじ1 
あんこ・きな粉など

【 作り方 】
(1)ごはんをすりこぎ等で潰す。3等分くらいに分けてラップをしておく(乾燥防止のため)。
(2)あんこ・きな粉等を用意する。お好みで(1)をあんこでくるんだり、きな粉をまぶしたりして完成。

即席ですが美味しいですよ。

\おすすめ/
みりんあんこレシピ

【 材料 】
乾燥小豆 100g 
水 480㎖ 
塩 ひとつまみ 
本みりん 80~100㎖

 【 作り方 】
(1)乾燥小豆をさっと洗い汚れを落とし、水に6~8時間つけて戻す。
(2)(1)を水ごと強火にかけて沸騰させる。沸騰したらふたをして弱火で1時間ほど煮る。
(3)好みの硬さになったらみりんを加え、煮詰める。

出来たては緩めですが、時間が経つといい硬さになります。

※小豆の浸水が面倒な方は省いても大丈夫ですが、その分茹で時間を長めに設定してください。
※小豆に含まれるビタミンB群を摂るためにそのまま煮ていますが、一度茹でこぼしてもOK。
※途中水が少なくなりすぎたときは足し水をしてください。

砂糖でつくるあんこに負けない甘さがありながらも、後味がすっきりなのがみりんあんこの特徴です!

昔から伝わる四季の文化・習慣がなくなりつつある現代。食べ物からその習慣を取り戻していくのもいいかもしれないです。
春のお彼岸・春分の日はみりんあんこで「春を迎えるぼた餅」を作ってみてはいかがでしょう。

この記事を書いてくれた人:あらきゆうこ
オーガニック玄米cafe店主。ココロとカラダをはぐくむご飯をテーマに玄米とお味噌汁を中心としたご飯をレンタルキッチン、自宅マルシェなどで提供中。身内の病気がきっかけで家族の食生活を見直し、玄米生活がスタート。ほぼ365日玄米生活中。玄米炊こう会などリクエストにて開催中。

https://www.instagram.com/yu_co.ss/