【レシピ付き】魅力がいっぱいの「おこわ」を解説!
「おこわ」とは、主にもち米を蒸した料理の総称です。「おこわ」は漢字で「御強」と書き、「蒸籠(せいろ)で蒸して作られたかたいご飯」を指す「強飯(こわいい)」に「お」をつけて略した言葉です。
「おこわ」の名前の由来は食感にあります。
「おこわ」は「おかゆ」の対義語です。
昔の人は白米に麦やひえ、あわを混ぜた雑穀をおかゆにして食べていました。それは「弱飯(ひめいい)」と呼ばれ、これに対し、おこわはかたいため「強飯(こわいい)」と呼んでいたそうです。
元々「おこわ」は特別な日やめでたい日、いわゆる「ハレの日」に作った特別な物のため、その季節の恵みをふんだんに使う傾向にあります。
おこわの種類
おこわにはもち米を蒸しただけの「白蒸し」という食べ方もありますが、おこわの魅力はどんな食材とも相性がよいことです。特に山菜や秋の味覚と相性が良く、芋や銀杏、きのこ、鶏肉などおこわの具になることが多いです。
また、おこわの代表的な料理といえば、小豆やささげ豆をもち米と一緒に炊き上げる「赤飯」があります。日本ではおめでたい日に食べる料理として、昔から親しまれています。
おこわの魅力
おこわと炊き込みご飯の違い
おこわと炊き込みご飯の違いは、お米の種類にあります。一般的に、おこわはもち米を使い、炊き込みご飯はうるち米を使用します。
昔は「蒸したものをおこわ、炊いたものを炊き込みご飯」と分類していたようですが、現在は調理法による区別はおこなわれていないことが多いです。
代表的なおこわいろいろ
白蒸し(しらむし)
もち米を蒸しただけのシンプルなおこわです。
一切の具や調味料は入らず、もち米の甘みだけが際立つのが「白蒸し」。もち米を一晩水に浸け、10分おきに打ち水しながら炊き上げ、仕上げはうちわであおいでツヤを出す。「炊いたうるち米」とは全く違う、白蒸し独特の風味と食感が味わえます。
<基本の作り方>
もち米を水で研いで約8時間浸水し、その後ザルにあげて水を切ります。蒸し器に濡れ布巾を敷きます。
その上に中央を窪ませるようにもち米を広げ、布巾をかぶせて蓋をして、強火で40分蒸します。
その間、10分毎に蓋を開けてもち米に適量の水をかけてください。蒸しあがったらもち米を盤台(はんだい・浅いおけ)に移し、しゃもじでほぐしたら完成です。
★うちわであおぐとツヤが出ます。
★白蒸しに下味を付けた山菜や魚貝などを混ぜると、「混ぜ飯ふう」のおこわになります。
その他にも、代表的なおこわに以下のようなものがあります。
赤飯
おこわの代表的な料理といえば、「赤飯」です。
もち米に小豆もしくはささげ豆をいれ、赤い色に炊き上げたおこわ。北海道や青森の一部では小豆ではなく甘納豆を入れたり、千葉では落花生を入れたりもします。
栗おこわ
秋の味覚を楽しめる栗。栗の炊き込みご飯も美味しいですが、おこわは冷めても美味しいのが魅力です。蒸し器で作るなら塩気と香りを引き出すために、酒を加えた塩水を振りかけるとさらに美味しく仕上がります。
五目おこわ
五目は「さまざまなものが入り混じっている」ことを指すので、具材は5品にこだわる必要はありません。
ごぼうやにんじん、れんこん、しいたけ、ひじき、たけのこなど、お好みで素材を組み合わせて楽しめます。鶏肉を混ぜるとさらに食べ応えもあって、満足感がアップします。
おこわは本来蒸し器を使いますが、炊飯器や圧力鍋を使っても作れます。
もち米を手に入れたら、ぜひ「おこわ」に挑戦してみてくださいね。
この記事を書いてくれた人:あらきゆうこ
出張玄米食堂あらきっちん店主。ココロとカラダをはぐくむご飯をテーマに玄米とお味噌汁を中心としたご飯をレンタルキッチン、自宅マルシェなどで提供中。身内の病気がきっかけで家族の食生活を見直し、玄米生活がスタート。ほぼ365日玄米生活中。玄米炊こう会リクエストにて開催。
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