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「五平餅」なのにもち米じゃない!? きっと知らないお米の豆知識。

お米を使った郷土料理「五平餅」の魅力

ご飯を串に刺して焼いた「五平餅」(ごへいもち)。
皆さん食べたことはありますか?

岐阜県の東濃地域や長野県南部、愛知県三河地方などの郷土料理で、高速道路のサービスエリアや道の駅などで販売されています。

五平餅の起源は、つぶしたお米を木の枝に刺したものが神事でお供えされ、それを焼いて食べるようになったのが始まりと言われています。

一般的に多い形は「わらじ型」ですが、他にもひょうたん型や団子状のものなど様々です。味付けは、しょう油や味噌がベースで、他にはゴマやクルミ、生卵といった地域の名産を取り入れているものもあります。
子どもさんでも食べやすく、香ばしさと、お米の食感が人気です。

「うるち米」と「もち米」の違いって?

ご家庭でも作りやすいということで、レシピサイトにも五平餅のつくり方が多く掲載されています。そのレシピを見ると、五平餅というのに使われているのはもち米ではなく「うるち米」なんです。名前からすると意外ではないでしょうか。

ご存じの方もいるかと思いますが、私たちが普段ごはんとして食べている普通のお米のことを「うるち米」といいます。

これに対して、お餅やお赤飯、おこわなどに使われるのが「もち米」です。 見た目でいうと、もち米はうるち米より丸みがあり、乳白色なのが特徴です。

普段お米を選ぶ時に見る「コシヒカリ」や「あきたこまち」などは、すべてうるち米で、名前はあくまで「銘柄」なんです。

日本のお米は、「うるち米」と「もち米」に分けられます。

そもそも、精米か玄米か、白米か赤米かを分ける前の段階です。
お米が入っている袋の成分表には、「名称:精米」としか書かれていないものもあります。これは「うるち」が省略可能なため。一般のお米の名称欄が「精米」の場合、正しくは「うるち精米」という意味になります。

「うるち米」の成分と特徴

お米はデンプンが主成分ですが、デンプンには「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があります。
うるち米には両方のデンプンが含まれていますが、もち米にはアミノペクチンのみで、アミロースは含まれていません。一般に、アミロースの割合が少なくなるほど粘りが大きくなります。

米飯として美味しいのはアミロースが17~19%と言われています。

普段私たちが食べているうるち米は、アミロース含量が16~23%。アミロースが多くなると、インディカ米のようにスプーンを使わないと食べることができないパサパサのお米になります。
アミロースがほぼ0%になったものがもち米で、この粘りのお陰でお餅ができるわけです。
うるち米が炊いたときにふっくらと仕上がり食べやすいのは、アミロースが多すぎず少なすぎず、適度に含まれたお米だからです。

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あらためて「うるち米」を楽しんでみませんか?

栄養面では、ミネラルやビタミンはどちらにもほぼ同量が含まれていて、差はほぼありません。調理法でいうと、もち米の方がうるち米より水を吸いにくいため、炊く際には吸水時間を長めにとる必要があります。

またどちらのお米も、和菓子の材料として使われています。
例えば、うるち米から作られる上新粉(じょうしんこ)は、柏餅や草餅に。もち米から作られる白玉粉(しらたまこ)は、白玉だんごや大福に使われています。どちらのお米も、暮らしには欠かせないものですね。

皆さんは、今まで何種類くらいの銘柄を食べたことがあるでしょうか。
うるち米の種類は440品種。そのうち主食用として作られているものは274品種もあります。
せっかくお米大国の日本に暮らしているのですから、食べたことのない銘柄を色々と試してみると楽しいかもしれませんね。


この記事を書いてくれた人:さとう きょうこ
専業主婦から毎日新聞社のライターを経て住宅会社に就職。広報、人事部を立ち上げ、『家を売るライター』として有名建築家や経営者、顧客を取材。雑誌書籍の編集や採用人事も担当。16年の勤務を経て2020年に独立。


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