三角関係!? おにぎりをめぐる「ラップ」vs「ホイル」という考察
「おにぎり」には、家庭ごとにさまざまな流儀があります。
具は中に入れるのか、ごはんに混ぜ込むのか。
手塩でいくのか、塩は先混ぜにするのか。
海苔は先に巻いておくのか、後巻きパリパリでいくのか。
そして、おにぎりを包むのは「ラップ」か「ホイル」か。
「ラップだと握ってそのまま包めるので衛生的だ」
「ホイルで包んでいた方がおいしく感じる」
この「ラップ」か「ホイル」かについてはさまざま意見がありますが、
「だからこっち良い!」という明確な理由はあるようでないような……。
昭和世代は「ホイル派」が多いように思いますが、
実際は「ラップ」を使う比率が8割以上(※)と圧倒的に高かったり。
(※東洋アルミエコープロダクツ株式会社 2019年調べ)
ホントのところ、おにぎりにとって「ラップ」と「ホイル」はどっちがいいの?
利便性では「ラップ」に軍配
まず「おにぎりをどうやってにぎるのか」。
素手でにぎるか、ラップでにぎるか……。
あっ! この時点で「ラップ」が登場していますね。
ラップの利点は何と言っても、ラップごとにぎれること。
にぎる際に米粒が手につかず、そのまま形を整えて、
にぎるのに使ったラップをそのまま包む用途にも使えます。
また、包んだまま冷凍することもできるので、保存するにも便利。
なるほど、「ラップ」を使う人の方が多いのは頷けます。
また衛生面でも、素手よりラップを使った方がよいでしょう。
「ホイル派」の多くは「手塩派」である
では、なぜ「ホイルで包んだ方がおいしい」という人が多いのでしょう。
まず「素手でにぎる人」には、包む素材にラップとホイルの両方の選択肢があります。一方「ラップでにぎる人」がホイルを使うことは考えにくいです(ラップでにぎってからホイルで包むとダブルで消費するため)。つまり「ホイルを使う人」は「素手でにぎる人」が大半であると推測されます。
「ホイルで包んだおにぎりの方がおいしい」というのは「素手でにぎったおにぎりの方がおいしい」と言い換えることもできます。
素手でおにぎりをにぎる際は、手に塩をつけてからにぎります。
実はこの「手塩」こそ、おにぎりのおいしさの秘訣。
ごはん粒にまだらについた塩味が舌を敏感にし、コメや具材の旨味や甘味をしっかり受け止めようと活動するのです。
ちなみに、コンビニのおにぎりは塩分を均一化するため、塩水でごはんを炊くことが多いようです。
おいしさキープ力では「ホイル」が優勢
ただ、手塩だけでは「素手にぎり+ラップ」と味の差はありません。
どんな食べ物もそうですが、おにぎりのおいしさを維持するためには、
極力光に触れさせないことや通気性を保つことが重要です。
ホイルにはラップにはない「遮光性」があり、光での傷みを防ぎます。
また、ホイルで包んだ方が、おにぎりとの間に適度な隙間が生まれるため、
余計な水分が逃げていく効果もあります。
海苔で巻いたおにぎりであると特にわかりやすいですが、ラップで包んだ場合に比べ、表面のべちゃつきや海苔の剥がれがおきにくい。
よって「おいしさキープ力」はホイルに分があると言えます。
おにぎりを包むのはラップかホイルか。
それぞれの長所を踏まえながら、季節やシーンに応じて違いを楽しんでみてください。
この記事を書いてくれた人:江戸川渓谷(えどがわけいこく)
プロフィール:三度の飯とおにぎりが好き。趣味は道の駅めぐりに商店街散策、メタボ対策のトレッキング。うまいものは足で稼ぐのが信条。ゲットした惣菜で晩酌するのが最近の楽しみ。