豆腐と米粉のハーモニー!滋賀県郷土料理「おあえ団子」
滋賀県は人口当たりの寺院の数が多く、昔から豆腐を使う精進料理がよく作られてきました。
今回ご紹介する「おあえ団子」もそのひとつ。
お豆腐に米粉を混ぜて食べる料理なのだとか……?
白和えに米粉団子を混ぜ合わせたのが「おあえ団子」
「おあえ団子」とはその名前の通り、米粉で作った団子と白和えを和えた滋賀県に伝わる郷土料理です。一年を通じて手に入りやすい豆腐と野菜を使った白和えを、米粉団子に混ぜ合わせます。
白和えの具材は人参・しいたけ・小松菜・こんにゃくなど、家庭にあるものでOK。青菜を使って味噌和えにしたものは「くき団子」とも呼ばれているようです。法事など人が集まる際に作られ、食べられてきました。
豆類を使った滋賀県の郷土料理あれこれ
比叡山延暦寺や近江神宮といった寺院が多い滋賀県では、信仰深い風土があり、郷土料理にも豆腐を使ったものが多くあります。例えば「豆腐田楽」は、水切りした豆腐を串にさして焼き、焦げ目がついたところで味噌をつけてもう一度焼く料理。ジュワッとした香ばしさが魅力です。
また「幸福豆」は、米粉を水で溶いたものに煎り大豆を混ぜて、ホットケーキのように焼いたお菓子です。もちもちとした食感がおいしく、手軽に作れて食べられるおやつとして親しまれてきました。
見た目よりガツンときた!「おあえ団子」を実食
白玉団子を作ったことがあるので、お団子を作る工程にはなんとなくなじみがあります。このお団子に豆腐の白和えの衣をまとったらどのようなハーモニーが生まれるのか……いざ、クッキング!
「おあえ団子」の作り方
【 材料 】4人分
・米粉 100g
・もち粉 100g
・水 180㎖程度
・しいたけ 2個
・人参 半分
・ほうれん草 小3束
・木綿豆腐 300g程度
・味噌 50g
・すりごま 25g
・砂糖 50g
・みりん(煮切ったもの) 15㎖
【 作り方 】
(1)初めに米粉団子を作ります。米粉ともち粉に水を入れて、耳たぶくらいの固さになるまでよくこねます。
(2)3㎝程度の円盤状に丸めて、沸騰したお湯で茹でてから冷やします。
(3)次に和え衣を作ります。豆腐はキッチンペーパーで包んでから、電子レンジ600Wで2分加熱して水切りをします。
(4)野菜(しいたけ・人参・ほうれん草)は2㎝程度の長さに切って、塩で茹でておきます。
(5)味噌・すりごま・砂糖・みりんをよく混ぜてから、茹でた野菜と水切りをした豆腐を加えます。
(6)米粉団子を和え衣で包んだら、完成です!
\ 作り方のポイント /
ねっとりとした和え衣を作るには、豆腐の水気をよく切ることが大切。
しっかり練ることで口当たりの優しさも増します。
お団子と豆腐の食感がうまい具合に調和した「おあえ団子」ができました。もちもちとした歯ざわりはもち米特有のものですが、豆腐のおかげでもっと軽い感じ。舌に触れた感覚は、かなり繊細ですがとてもたおやかで優しい。とろりとのどの奥に吸い込まれていくようなおいしさとでも言いましょうか。
しかし淡白そうな見た目とは裏腹に味噌がガツンと効いているので、鼻に抜ける香りは主張が強め。米粉のおかげで腹持ちも良く、しっかりと食欲と満足感を満たしてくれました。
意外にしょっぱ目の味付けなので、お酒のつまみにも良さそうです!
「おあえ団子」は、白和えを作る要領で水気を切った豆腐に、丸めたお団子に絡めるだけ。最初に感じたおいしさは豆腐のまろやかさ、続いて味噌の濃厚なうま味を感じ、お団子のもっちりはずむような食感も味わえます。
余ったお団子は、市販のあんこを添えておやつに頂きました。自分で作ったお団子はおいしいものですね。
小さいお子さまがいるご家庭では、一緒にクッキングをしても楽しいかと思います。
この記事を書いてくれた人:井上リエ
プロフィール:東京都在住。図書館司書を経て、ライター活動中。食べること料理すること、玄米とワインを愛する食いしん坊。
趣味はヨガ、旅行、ハーブの栽培で、健康と美容への探求心も旺盛。