[ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑦わさびの話
子どもたちと薬膳ご飯を食べに行ったときのお話です。
薬膳レシピ担当の方から、わさびの役割についてとても役に立つお話を聞かせていただきました!
おしゃべり大好きな長男が、「魚が好き〜」と薬膳担当のスタッフさんとお話をしていました。
その時にその方が「お刺身は、わさびが食べられるようになってから食べてね」とおっしゃっており、どういうことかを伺うと、わさびには細菌やカビの増殖を抑制する殺菌作用があると教えてくださいました。
わさびの殺菌効果
わさびの辛味成分である「アリルイソチオシアネート」。
これには大腸菌やカビといった細菌類の増殖を抑制する抗菌効果や、アニサキスなどの寄生虫の殺菌効果があるそうです。
また魚の生臭さの原因である「トリメチルアミン」を打ち消す効果があることもわかっているそうです。
わさびはいつから食べられている?
すでに飛鳥時代や平安時代には、「わさび」が薬草として用いられたという古い記録があります。
江戸時代後期には握りずしが流行して、刺身とわさびを一緒に食べることが広まったそう。
初期の頃は魚の生臭さを消すために食べていたそうですが、現在のように効果や効能が科学的に実証できない時代から、昔の人たちはわさびの効果を経験から知り食していたとは! 先人の知恵は本当に素晴らしいですね。
わさびの種類
わさびは、大きく「本わさび」「西洋わさび(ホースラディッシュ)」の2種類に分けることができます。
日本原産の「本わさび」は、上品で控えめな辛さが特徴です。口に入れると上品な辛さと爽やかさが広がり、刺し身や寿司・蕎麦などと相性バッチリです。食材の風味を、より引き立ててくれます。
反対に、ツンと強めの辛さが特徴を持つのが「西洋わさび」です。辛味のなかに酸味があり、脂っこい肉類と相性がよいです。
馴染みがあるのはチューブタイプのわさびですが、こちらも「生わさび」と書かれている物と「本わさび」と書かれている物の2種類があります。
西洋わさびの方が価格が低いため、チューブわさびの原材料として使われています。
本わさびの量が50%以上であれば本わさび使用、本わさびの量が50%未満であれば本わさび入りと表示されます。チューブわさびには添加物が入っているのであまりおすすめはできませんが、大量に摂取する類のものではないので、過剰な心配はいりません。
手軽さと風味と安心感を求める方には、粉わさびがおすすめです。
粉わさびは
西洋わさび(中国)/着色料(クチナシ、紅花黄)/ビタミンC
といったシンプルな原材料のものが多く、賞味期限も長いので、使いやすいですよ。
ちなみに、西洋わさびにも本わさび同様に殺菌効果のあるアリルイソチオシアネートが含まれているので、本わさびの代用として活躍してくれます!
子どもの消化器官が完全に発達しきるのは10歳前後と言われています。
わさびはそれまで食べさせる必要はないと思いますが、食中毒の危険性を考えると、お子さまの刺身デビューを迷われている方は“わさびが食べられるようになったら!”を基準にするのもいいのではないでしょうか?
わさびが苦手な方へ
殺菌作用はわかるけど……わさびが苦手、でも刺身は好きという方は、食前と食後にカテキンの多く含まれた緑茶などを飲むことをおすすめします。
ワサビが苦手なにお子様にはカテキン茶を飲ませてあげて腸内をしっかりと守ってあげてくださいね。
この記事を書いてくれた人:あらきゆうこ
出張玄米食堂あらきっちん店主。ココロとカラダをはぐくむご飯をテーマに玄米とお味噌汁を中心としたご飯をレンタルキッチン、自宅マルシェなどで提供中。身内の病気がきっかけで家族の食生活を見直し、玄米生活がスタート。ほぼ365日玄米生活中。玄米炊こう会リクエストにて開催。
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