れんこんとベーコンの炊き込みご飯
漢方・薬膳のコラムを執筆させていただくことになりました、古橋智子と申します。
日本人は古来よりお米を主食としてきました。薬膳の考え方でも、お米を中心とした穀類は「気」を補うものとして、要(かなめ)となっています。
こちらでは、漢方・薬膳の観点から、季節ごとに起こりがちなトラブルやその対応をふまえて、おすすめの食材を取り入れた「薬膳ごはん」をご紹介したいと思います。
手に入りやすい材料で気軽に作れるレシピを中心としていますので、ぜひ、日々の食卓に取り入れていただけたらと思っております。
秋は呼吸器系のトラブルに注意
夏の名残で日中まだ暑い日があるとはいえ、朝晩はだいぶ涼しくなり、いよいよ秋、と過ごしやすさを感じる一方、咽の渇き、痛み、空咳などが気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
夏の間、私たちの身体の中には外気温の高さからくる熱がこもって蓄積しています。
熱は体内の水分を蒸発させますので、知らず知らずのうちに潤い不足となりがちなのですが、そこへ秋になって気温が下がり、空気が乾燥することによって、皮膚や呼吸器系の乾燥が顕著なものとなる方が多いのです。
漢方の考え方から見ても、秋は呼吸器系をつかさどる「肺」がダメージを受けやすい時期とされています。そのため、「肺」を補う食材をとるように心がけたいものです。
「肺」を補う食材
漢方・薬膳には「五色」という考え方があります。
これは中国の古代哲学「五行説」をもとにしたもので、その季節および五臓(「肺」は、この五臓のうちのひとつです)に合った色の食べ物を食べると良いという考え方です。
この図を見ていただくと、「肺」のケアには白いものを食べると良いということがわかります。例えば白ごま、白きくらげ、れんこん、山芋、梨などです。
併せて、体に潤いを与える食材をとることで、さらに秋の乾燥に対応する献立をたてることができます。例えば豚肉、ナッツ類、また秋に特に美味しいきのこ類などがおすすめです。
これらの食材を上手に組み合わせて、ご家庭でできる「薬膳」を気軽に取り入れていただければと思います。
おすすめレシピ「れんこんとベーコンの炊き込みご飯」
【 材料(白米2合分)】
米 2合
れんこん 150g
ベーコン(ブロックのものがおすすめ) 100g
まいたけ 1パック
【作り方】
米は洗ってざるにあげておきます。
れんこん、ベーコンは食べやすい大きさに切り、まいたけは手で割いておきます。
フライパンを熱し、油をひかずにベーコンを炒め、焼き色をつけます。
炊飯器または土鍋に米を入れて通常の水加減をし、れんこん、ベーコン、舞茸を加えて炊きます。
きのこは他にしめじやしいたけなどを使われても結構です。
この記事を書いてくれた人:古橋 智子(漢方・薬膳・保存食講師)
プロフィール:漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、中国茶アドバイザー、かんぶつマエストロ。薬日本堂漢方スクール、長谷園 東京店 igamonoなどで講座を担当。20代より保存食作りに親しみ、数々のレシピを考案。素材の旬だけでなく、一人ひとりの体質や体調に合った保存食を提案したいという思いから漢方、薬膳を学ぶ。