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[ココロとカラダをはぐくむご飯への道]その⑰七夕の定番はそうめん? 5色の七夕ちらし寿司を作ろう!

江戸時代に五節句の一つに定められ、別名「笹の節供」「星祭り」といわれる七夕(たなばた)。
七夕は織姫と彦星の物語や、短冊に願いを書いたりと、今でも多くの方に親しまれている行事の一つです。

七夕の由来は諸説ありますが、簡単に説明すると、中国から日本に伝わった星祭りだそうです。
乞巧奠(きこうでん)という中国の行事は、機織りが得意な織姫にあやかって人々が裁縫の上達を願う行事です。7月7日に祭壇を飾り、星へ祈りを捧げた日が、やがて裁縫以外の才も上達を願う行事となりました。

そして日本の行事である棚機(たなばた)も、衣に関する行事です。かつて乙女が棚機で織った着物を棚に供え、神をもてなすことで豊作を願ったことに由来します。
やがて中国と日本の伝統行事が融合し、新たな宮中行事となり、江戸時代にさまざまな貴族の宮中行事・慣習が庶民の間で広まり、七夕も庶民の文化として広がり、現在に至ると言われています。

七夕の行事食

七夕の行事食は”そうめん”です。
そうめんは奈良時代に中国から伝わった「索餅(さくべい・さくへい)」という小麦粉料理が元だと言われています。
策餅は小麦粉と米粉を練り、油を塗ってひねり乾燥させたもので、素麺と似ていることから、現在では七夕の供え物は素麺へと変化しています。
織姫を連想させる織り糸と素麺がよく似ていたことにより、素麺は七夕の行事食だけではなく、贈答品にも選ばれるようになりました。

今と形は違えど、千年以上も前から七夕の行事食となっていたそうめんですが、実はあまり習慣となっていないようで、とある会社が2019年に行った「七夕にそうめんを食べる習慣があるか」という調査では「食べる習慣がある」と回答したのはわずか3%。「習慣はないが知っている」を合わせても、全国6%という結果だったそう!

では七夕には何が食べられているのでしょう?

七夕にちらし寿司

ちらし寿司も七夕によく食べられる料理の一つです。
ちらし寿司を七夕に食べるようになった由来は特に存在していないようですが、日本は古くから祭りやお祝い事にちらし寿司を食べる慣習があったため、五節句の一つである七夕でもちらし寿司を食べるという家庭が多いようです。

そんなちらし寿司を七夕風に楽しんでいただきたく、まずは短冊の意味を解説いたします。

五色の短冊の意味

七夕に願い事を書く短冊には、5つの色が使われます。
この5つの色とは、青・赤・黄・白・黒のことで、中国の陰陽五行説という考え方に由来しています。
5つの色にも意味があり、青は木・赤は火・黄は土・白は金・黒は水を表しているといいます。
※「水」に相当する色は、時代の移り変わりとともに、黒ではなく紫が使用されるようになりました。

短冊の色にはそれぞれ意味もあります。
青【仁】:徳を積み人間力を高める
赤【礼】:父母・祖先に対する感謝の気持ち
黄【信】:信頼の気持ちを持ち知人や友人を大切に思う気持ち
白【義】:義務やルールを守る心
黒【智】:学業の向上

願い事にあった色に願いを書くことで、叶いやすくなるともいわれています。

七夕に作ろう! 5色のちらし寿司

(青)オクラ(きゅうり・きぬさや)
(赤)トマト(エビ・いくら・にんじん)
(黄)たまご(黄パプリカ)
(白)れんこん(白胡麻・白キクラゲ)
(黒)のり(黒胡麻・ごぼう)

オクラは茹でて輪切りにする。トマトは角切り、蓮根はいちょう切りにして茹でてから甘酢に漬けておく。卵は薄く焼いて錦糸卵にする。

酢飯に用意した食材を盛り付けて、海苔をパラパラして完成!
※具材はカラーを意識してお好みのものチョイスしてください。

七夕の日は、5色の七夕ちらしを食べながら、色にあった願いを語らうのも良いのではないでしょうか♪

この記事を書いてくれた人:あらきゆうこ
オーガニック玄米cafe店主。ココロとカラダをはぐくむご飯をテーマに玄米とお味噌汁を中心としたご飯をレンタルキッチン、自宅マルシェなどで提供中。身内の病気がきっかけで家族の食生活を見直し、玄米生活がスタート。ほぼ365日玄米生活中。玄米炊こう会などリクエストにて開催中。

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