必見! ご家庭でできる美味しいご飯の「基本の炊き方」
私たちは毎日主食としてご飯を食べています。
しかし、「美味しいな」と思うご飯ばかりではありません。「なんだか美味しくないな」と思うご飯を食べるときもあります。もちろん、好みの差もありますが、実はこれには大きく分けて2つの原因があります。
一つは「お米の種類」によるもの、
二つ目は「炊飯の仕方」によるものです。
前者は、料理に合ったお米が使われず、白米として or 味付したご飯として不向きな種類の米が使用されて、美味しく感じない場合です。
後者は、正しい炊飯方法で炊飯せず、保管方法が悪く、お米本来の旨みが出ず、美味しく感じない場合です。
今回は、二つ目の原因を解決すべく、「お米を美味しく炊く方法」について説明します。
お米を美味しく炊くためには
お米にはデンプンが多く含まれ、生だと硬く、人の口に合いません。
美味しくするためには、でんぷんを変化させる(糊化・アルファー化させる)ことが必要です。これが「ご飯を炊く」ということで、お米を最も美味しく食べる方法です。
どんなに良いお米を使っても、炊き方が悪いと美味しいご飯は炊けません。では、お米の炊き方を学んでいきましょう。
1:計量
まず、お米を正しく軽量しましょう。
家庭用の炊飯器を使用する場合、軽量カップは一合を150gと計算されています。これを基準に水加減の目盛が付されており、この計量をしっかりとしておかないと水加減がうまくいかず、美味しいご飯が炊けなくなってしまいます。そのため家庭用の炊飯器で炊飯をする際は、軽量カップを用い正確に軽量をしましょう。
最近では、土釜でご飯を楽しまれる方もいらっしゃいますが、同様にお米の軽量は重要になります。
2:洗米
昔は手のひらで米同士をこするようにゴシゴシ研ぐのが良いとされていました。コメに糠層が多く付着しており、ゴシゴシ研ぐことで糠層を除去していました。しかし、現在はお米屋さんの精米技術が格段に向上し、白米に糠は昔に比べ付着していません。今は研ぐより洗うというイメージでしょうか。
まず、1回目の水を入れると、混ぜることをせずにすぐに捨てます。
お米が乾燥しており、1回目の水は勢いよく吸水されるため、糠臭くならないようにすることが理由です。
2回目からは水を入れ、優しく15回ほどかき回して捨てるという工程を4回程繰り返します。時折、水が透明になるまで繰り返す人がいますが、お米の旨味まで流してしまいますので、適度にしましょう。
3:加水
ご飯の硬さを左右する最も重要な工程です。水が多いとべたついたご飯になり、水が少ないと硬いご飯になります。
お米の計量が大切なように、加水量も重要なのです。家庭用炊飯器の場合は各メーカーにより、釜の容量や加熱時間が異なるため、釜の加水ラインに合わせましょう。メモリがない土釜などの場合は生米(洗米前)で米の重量に対して1.3倍~1.35倍、無洗米(洗米前)では1.45倍~1.5倍が加水量になります。
4:浸け置き時間
浸け置きの理由は、炊き上がったでんぷんの均一性とお米に芯を残さないために行われます。浸け置きをしていないお米は芯のあるご飯になります。
浸け置きは夏場で最低40分、冬場では最低60分を推奨しています。
約15~20%まで水分が吸収されることになります。最大吸収率は20~30%ですので、2時間以上浸け置きすると米の表面が崩れて炊飯時にだんごになる可能性があります。
家庭用炊飯器には浸け置き時間も含まれて時間表示される機器もありますので、ご確認ください。
5:加熱
炊飯には加熱工程と蒸らし工程があります。「はじめチョロチョロ、なかパッパ、赤子泣いてもふた取るな」という言葉がありますが、釜に点火し徐々に釜の温度が上昇する工程(約10分)、高い温度で加熱を行いお米が対流しやすくするための過程(約5分)、ふたを取らず圧力をかけたまま芯までご飯を美味しくするための工程(約10分)を表現しています。
家庭用炊飯器もスイッチひとつですが、このような仕組みで炊飯しています。
6:蒸らす
お米の加熱が終わっても、お米の芯まで熱は伝わっているわけではなく、蒸らしの工程を経て、美味しいご飯になります。
蒸らし時間は火を切ってから10~15分が目安となります。余熱で芯までふっくらさせていきます。
もちろん家庭用炊飯器では蒸らしまで時間に含まれているものが多くありますのでご確認ください。
7:ほぐす
実は最後に大切な工程があります。それが「ほぐし」です。
炊き上がったご飯は上段・中段・下段で硬さが異なります。重力で水分が下に行くために、上段が硬く、下段が柔らかくなります。
蒸らしが終わると十字にしゃもじをいれ、内釜の外側から上段と下段を、米粒をつぶさないように混ぜます。これで美味しいご飯の完成です。
お米の炊飯は簡単な作業ですが、均一で美味しいご飯を提供するには基本が大切になります。ご飯が美味しかったら、食がすすみますよね。
ぜひ、美味しいご飯を炊いて“おうちごはん”をお楽しみください。
この記事を書いてくれた人:特定非営利活動法人 日本米飯管理士協会