おこもり美容に「寝かせ玄米」を。身体と心が喜ぶヘルシーフード
ジワる、ニッポンの玄米!
家にいる時間が増えたら「身体にいい食生活を送ろう!」と考える人も多いはず。健康志向が高まる人にインスピレーションを与えてくれそうなのが、ホールフードを中心としたクリーンな食生活です。
ホールフードとは、いわゆる食べ物をまるごと食べる全体食のことで精製加工されていない食品のことを指しています。
日本のホールフードと言えば、もちろん玄米です。
玄米とはイネの実から、もみがらだけを取り除いたもの。発芽する力を持つ言わば“生きたお米”で、外皮に食物繊維を豊富に含み、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミンB1・ビタミンE、各種ミネラルなどの栄養素が一粒にギュッと凝縮されています。
多くの人は、主食であるご飯やパンに白米や白パンを選んでいるのではないでしょうか。
白米は、玄米の周りを囲んでいる堅い米ぬかをそぎ落としたもので、調理時間が短く、柔らかく口当たりが良いなどのメリットがある反面、除かれた部分に含まれている栄養素が失われてしまうというデメリットもあります。ホールフードの玄米の何が良いかというと、そのものに十分な食物繊維や栄養素が含まれていることなのですね。
このようにヘルシーな玄米食ですが、「ぼそぼそして食べにくそう」「消化に悪そう」「炊飯に手間が掛かりそう」などの理由で、積極的に食生活へ取り入れられなかったり、続けられなかったりする人も多いようです。でも、これらの課題を一気に解決してくれるのが「寝かせ玄米」なのです!
ズボラでも続く! 寝かせ玄米生活
多くの人が玄米を食べ続けられない理由として、味と調理の大きな壁を感じているのなら、白米よりも玄米の方が美味しい&ラクならば何の問題もありませんよね?
寝かせ玄米とは、玄米に小豆と塩を加えて炊き、数日間保温させて熟成させたご飯のこと。酵素玄米や発酵玄米などとも呼ばれています。栄養価の高い玄米に小豆のサポニン、食塩のミネラルなどが加わって、さらにパワーアップ! 完全栄養食とも言えるのではないでしょうか。
玄米を3~4日間保温し続けていると、ほどよく水分が抜けて食感が柔らかくなり、甘みも出てきます。
この旨みのあるモッチリ感が寝かせ玄米の特徴の一つ。
お赤飯やおこわの食感や味に似ています。次第に赤茶色が濃くなり、見た目の変化も楽しめるでしょう。噛めば噛む程に滋味深い味わいが楽しめ、まるで別次元の美味しさへ。またふっくら柔らかくなることで、消化への負担が少ないとも考えられています。
ですが、得られるメリットはこれだけではありません。
まずは、簡単&手間ナシで料理の時短に繋がるということです。玄米を炊飯器で炊いてから寝かせるという工程があるものの、慣れてしまえばルーティンに組み込めます。仕込みさえすれば、後は面倒な火の番はいらず炊飯器にお任せ。一度に玄米をたくさん炊いて3日間保温しながら食べるので、実は毎日炊く白米よりもずっとラクです。ズボラさんにこそおすすめしたいのです。
そしてお茶碗一杯で必要な栄養素が摂れるから、おかずを何品も作る必要がありません! 主食を寝かせ玄米にすれば、後は漬物と具だくさんの味噌汁程度で栄養バランスが取れてしまうのですね。余力があるときに、もう一品作ったり常備菜を仕込むなどすればいいのではないでしょうか。
さらに寝かせ玄米には美容効果が期待されていることも見逃せません。食物繊維はお通じの改善やデトックスの促進、ビタミンEは抗酸化作用があることからエイジングにアプローチするとも。プチプチとした食感の寝かせ玄米を時間をかけて良く噛むことで、食べ過ぎを抑制しダイエットにも繋がるかもしれません。毎日顎を使っていればフェイスラインも引き締まるかも…なんて期待も膨らみます。
印象美人は、ヘルシーな食習慣から
身体が心地良いと感じる食べ物の多くは、炊きたてのご飯や旬の野菜など日本の風土が育んだ和食ではないでしょうか。自分が口にしてから出すまでがとてもスムーズで心地良い、それを身体で感じながら味わえるのが寝かせ玄米の醍醐味かもしれません。
今は直ぐに炊ける玄米品種や玄米専用の炊飯器など、様々な商品があります。健康的なライフスタイルを送りながらもっと美しくなるために、寝かせ玄米にチャレンジしてみてはいかがでしょうか? 次回は、寝かせ玄米の炊き方や保存&温めメソッドをご紹介したいと思います!
この記事を書いてくれた人:井上リエ
プロフィール:東京都在住。図書館司書を経て、ライター活動中。食べること料理すること、玄米とワインを愛する食いしん坊。
趣味はヨガ、旅行、ハーブの栽培で、健康と美容への探求心も旺盛。