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【和歌山県郷土料理】「おかいさん」ってなんのこと?

「茶がゆ」といえば。
以前に山口県の郷土料理でさつまいも入りの「茶がゆ」を作ったことがありました。

今回ご紹介するのは、和歌山県の郷土料理「茶がゆ」です。地元では親しみを込めて「おかいさん」と呼ばれ、愛されているのだとか。

「木の国」和歌山県で作られたおかゆ料理

和歌山県の古い国名は「紀の国」です。
これはもともと「木の国」が転じたものともいわれるくらい、和歌山県は森林面積が広いのが特徴です。県の面積の4分の3以上を森林が占めています(木の妖精、キノピーというゆるキャラもいますよ)。

そのため稲作に適した平地が少ないから、お米は希少でした。

かつては家庭でお茶の木を栽培していたこともあり、少ないお米でもお腹いっぱいになるようにお米とお茶を炊いた「茶がゆ」が生み出されたと伝えられています。
 
使うのは、ほうじ茶や番茶です。
昔は自家製のお茶を使っていましたが、現在ではお茶屋さんやスーパーで買ったお茶で「茶がゆ」を作ることが多くなりました。
そのため茶がゆ用として、ほうじ茶・番茶を予めティーバッグに詰めたものも販売されているそうです。

暑い夏に、サラリとした「坊主茶がゆ」はいかが?

「茶がゆ」は水分量が多いため、お腹が空いているときはもちろん、のどが乾いたときでもサラリと食べられるのが魅力。夏バテで食欲がない時や運動の後などは、特におすすめです。
冬の寒い時期には温かいままいただきますが、夏の暑いときには鍋ごと氷水に浸し、キンキンに冷やして食べるのがおいしいのだとか。
 
お米とお茶だけで作ったものを「坊主茶がゆ」といい、そら豆などを入れたものを「豆茶がゆ」、焼いたお餅を入れる「焼きもちがゆ」など、地域や家庭によってバリエーションも豊かにラインナップ。

そのほか和歌山県特産の南高梅の梅干しや、金山寺味噌をのせて食べてもおいしい。さらに若い人の中には、冷たい白米やちらし寿司の上に「茶がゆ」をかけて食べる人もいるのだとか!
和歌山県の人々にとって「茶がゆ」は、長い間親しまれてきたソウルフードなのですね。

ご飯のお供を並べて、楽しくおいしい「茶がゆ」ができた!

米、ほうじ茶はいつも家にあるものです。思い立ったときにサッと調理できるのも嬉しいですね。
レシピも簡単だったので、あっという間に出来上がりました!

「茶がゆ」の作り方

【 材料 】2~3人分
・白米 1合
・ほうじ茶 大さじ2杯
・水 6カップくらい
・塩 ひとつまみ
・梅干し、金山寺味噌、たくわん お好みで

シンプルな材料!

【 作り方 】
(1)お米を洗っておきます。
(2)お鍋に水を入れて沸騰させ、茶袋に入れたほうじ茶をよく煮出します。

(3)お鍋から茶袋を取り出し、お米を加えて強火で炊きます。

(4)しゃもじですくい上げるように混ぜます。
(5)弱火にしてコトコト煮ます(20分くらい)。
(6)塩で調味したら、完成です!

\作り方のポイント/
お米をお鍋に入れたら、くっつき防止のためにすぐにかき混ぜます。
 
ほうじ茶を煮出している間から、芳しい香りがキッチンに立ち上ります。
 お米に対して水の割合が多いので、出来上がったのは予想以上に水分の多いさらりとしたおかゆでした。粘り気もない程よい粒々感で、サラサラとのどを通ります。ほんのり効いた塩気も身体に優しくて、ちょうどいい感じ。
 
トッピングとして、梅干し、金山寺味噌とたくわんのしょっぱい3種を用意しましたが、どれも茶がゆによく合います!
私はまろやかな風味の金山寺味噌が一番美味しく感じましたが、暑い日だったら梅干しを欲しそう。食べ比べるのも楽しかったです。
おかゆって簡単に作れる上に、アレンジ次第で味のバリエーションが広がっていいですね。
 
ほうじ茶ではなく、茶色のそら豆を使う!?
徳島県のおかゆ「茶ごめ」の記事もよかったら覗いてみてください。

この記事を書いてくれた人:井上リエ
プロフィール:東京都在住。図書館司書を経て、ライター活動中。食べること料理すること、玄米とワインを愛する食いしん坊。
趣味はヨガ、旅行、ハーブの栽培で、健康と美容への探求心も旺盛。