甘栗とくるみのおこわ
日本人は古来よりお米を主食としてきました。
薬膳の考え方でも、お米を中心とした穀類は「気」を補うものとして、要(かなめ)となっています。漢方・薬膳の観点から、季節ごとに起こりがちなトラブルやその対応をふまえて、おすすめの食材を取り入れた「薬膳ごはん」をご紹介いたします。
手に入りやすい材料で気軽に作れるレシピを中心としていますので、ぜひ、日々の食卓に取り入れていただけたらと思っております。
晩秋は乾燥対策と冬への備えが重要
前回のレシピでも触れましたが、漢方の考え方では、秋は外気の乾燥により呼吸器系や皮膚の機能をつかさどる「肺」がダメージを受けやすい時期とされています。
そのため、「肺」を補い身体に潤いを与える食材をとるように心がけたいものです。
具体的には、白ごま、白きくらげ、れんこん、山芋、梨、などです。
体に潤いを与える食材は豚肉、ナッツ類、また秋に特に美味しいきのこ類などがおすすめです。
また、来たるべき冬に備え、免疫を強化しておきたいのもこの時期です。
漢方においては免疫の強化は「気」「血」の充実が重要とされています。
「気」は私たちの生命力の源となる、いわゆる「免疫力」「自然治癒力」のようなもの。身体を動かし、食べ物から得た栄養を全身に巡らせるにはこの「気」が必要です。
「血」は、いわゆる血液というだけでなく、身体を巡る栄養のようなものとも定義されます。
気を補う食材は穀類、とりわけもち米は、熱をくるみこんで身体にとどめてくれる作用がありますので、冷えが気になる方や寒い時期には大変おすすめです。その他山芋、人参、かぼちゃなどがおすすめです。
血を補う食材は肉類(レバー含む)、クコの実、ほうれん草、ドライフルーツなどがおすすめです。
これらの食材を上手に組み合わせて、ご家庭でできる「薬膳」を気軽に取り入れていただければと思います。
おすすめレシピ「甘栗とくるみのおこわ」
【 材料 】
もち米 1合
甘栗 8粒
くるみ 大さじ2
生姜 1/3片
だし汁 180㏄
醤油 小さじ2
砂糖 小さじ2/3
オイスターソース 小さじ1/2
小ねぎ 2~3本
白ごま 適量
【 作り方 】
もち米は洗い、ざるにあげて30分ほどおきます。
甘栗は半分に割り、くるみは食べやすい大きさに砕きます。
生姜は千切りにします。
だし汁、醤油、砂糖、オイスターソースを混ぜ合わせ、もち米、甘栗、くるみ、生姜を入れた炊飯器に加えて、ごま油をまわし入れてから通常通りに炊きます。
器に盛り、小口切りにした小ねぎと白ごまを散らします。
この記事を書いてくれた人:古橋 智子(漢方・薬膳・保存食講師)
プロフィール:漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、中国茶アドバイザー、かんぶつマエストロ。薬日本堂漢方スクール、長谷園 東京店 igamonoなどで講座を担当。20代より保存食作りに親しみ、数々のレシピを考案。素材の旬だけでなく、一人ひとりの体質や体調に合った保存食を提案したいという思いから漢方、薬膳を学ぶ。
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