マガジンのカバー画像

クローズアップ

34
運営しているクリエイター

#お米

「令和の米騒動」その背景と課題

「令和の米騒動」その背景と課題

「令和の米騒動」は徐々に落ち着き、スーパーの棚ではお米が潤沢に並ぶようになってきました。

その棚を見て安心した消費者は買いだめを止め、各地のお米屋さんに殺到することもなくなったのです。
一見、平穏を取り戻したかのようなお米の世界ですが……。

実は産地ではかなり熾烈な出来事が起きているのです。

新米の季節なのに高い原因とは……とここまで大げさに書かなくとも、スーパーに行けば実感できると思います

もっとみる
お米の値段が上がった理由とは

お米の値段が上がった理由とは

「お米の値段が上がっている! 昨年の秋に比べると5割~8割ほど上がっている!! これは大変だ!!!」
……私もいくつかのメディアから取材を受けましたが、5月下旬から6月上旬にかけて大々的に報道されていましたので、皆さんも少しは耳にしたと思います。

お米の値段が上がるのは、
単純に「お米が足りない」からです。

お米は農産物ですから、数が足りなければ値段は上がります。
野菜や魚と同じなのです。

もっとみる
私たちの知らないお米の世界~稲作伝来からごはんを食べるまで~

私たちの知らないお米の世界~稲作伝来からごはんを食べるまで~

古くから日本で親しまれているお米ですが……、

イネは本来、日本列島には自生していない熱帯性植物です。

それがどうやって日本に伝わり、現代まで作られてきたのか、意外にも知られていないかもしれません。
今回はそんな、私たちの知らないお米の世界へ!

イネはどこで生まれた?イネは今から1万年くらい前に、中国南部~ラオス、タイ周辺に広がる山岳地帯で生まれたとされています。

ここを起点として、北の方に

もっとみる
知る人ぞ知るお米#3 栃木県のお米

知る人ぞ知るお米#3 栃木県のお米

今回は「知る人ぞ知るお米」シリーズの第三弾、
ひとつの銘柄をご紹介するのではなく、「栃木県のお米」をご紹介します。

栃木県といえば、大消費地「東京」にほど近いお米の生産県です。
米屋から見ると、「関東のお米」にはある程度のヒエラルキーがあり、千葉・茨城・栃木が上位に位置づけられる生産地です。

もう少し各県の情勢を見てみましょう。

千葉県は房総半島の温かい気候を利用して、早場米の生産が盛んです

もっとみる
知る人ぞ知るお米#2 三重県産「結びの神」

知る人ぞ知るお米#2 三重県産「結びの神」

今回は「知る人ぞ知るお米」シリーズの第二弾、
三重県産「結びの神」をご紹介します。

三重県産のお米……関東の人にとってはあまりなじみがないかもしれませんが、三重県と言えば伊賀地方のお米が有名です。
実は約400万年前には伊賀地方は琵琶湖だったのです。琵琶湖の湖底であったため今でも伊賀の土地は肥沃であり、収穫されるコシヒカリは「食味ランキング」で最高評価の「特A」を頻繁に獲得しています。
ただ、今

もっとみる
知る人ぞ知るお米#1 岐阜県産「銀の朏」

知る人ぞ知るお米#1 岐阜県産「銀の朏」

今回から、五ツ星お米マイスター小池は
新シリーズ「知る人ぞ知るお米」
というお題で連載をスタートします!
みなさま、どうぞお楽しみに。
美味しいお米を探し求めている方、要チェックですよ〜!

ちなみに前回までは[どうしてそうなった!?]というお題で、おもしろい名前のお米を紹介していましたよ。
その連載記事はマガジン「クローズアップ」に格納されていますので、ご興味のある方はぜひのぞいてみてください。

もっとみる
[どうしてそうなった!?]どまんなか

[どうしてそうなった!?]どまんなか

山形県の駅弁で「美味しい!」と評判のお弁当があります。
その名も「牛肉どまん中」。
この名称を聞いて、一般の人であれば「牛肉が真ん中に鎮座してボリューミーな弁当に違いない」と思い描くと思いますが、僕ら米業界人はこのように思います。

「懐かしい名前! まだ栽培している人はいるのかな?」
と。

そう、この弁当に使われているお米こそが、かつて山形県のオリジナル品種として「はえぬき」と同時に華々しくデ

もっとみる
日本の米は、まだまだ可能性がある!

日本の米は、まだまだ可能性がある!

突然ですが……。
私、小池精米店・三代目、五ツ星お米マイスターの小池理雄が、7月17日に本を出版しました。
今回は、その本を少しご紹介いたします。
お米を食す方・作る方・販売する方、お米に携わるたくさんの方に読んでいただきたい一冊です。

タイトルは『なぜ、その米は売れるのか? 進化する原宿の米屋のマーケティング術』(家の光協会)です。

お米についての本は数あれど、その中身は品種の話であったり、

もっとみる